横転するバス、責める側とかばう側

体育の授業。今日はスケボーの練習の日。私はどうしても授業を受けたくなくて、スケボーの練習をしている生徒にわざとぶつかって転んだ。保健室に行こうと思った。
先生に、ぶつかって足が…と言おうとしたら、先に別の生徒が「転んで足を怪我した。保健室へ行っていいですか」と訊いていた。先生はしきりに、大丈夫か?とその生徒を心配していた。先生、自分もぶつかって、と言ったら、「ああ…じゃあ帰りな」と興味なさそうに言われた。

帰りのバス。小さな子供がバス停で手を上げて必死に自己主張していたが、バスが行ってしまったのを見た。私はその子供の後ろに並んだ。夜になっていた。

次のバスに乗る。バス内はまばら。主婦が多かった。私は前の方の席に座った。バスに揺られて暫くして、シートベルトがあることに気づいた。私はシートベルトを装着した。

洞窟内に入る。道端には生徒の荷物が大量に散らばっていて、運転手さんは慎重に避けて進んでいた。これは大変そうだ…と、誰かの言葉か自分の心の声か、聞こえた。

とうとう何かを踏みつけたのかバスが横転した。
シートベルトをしていたがあまり意味を成さなかった。無傷ではあった。

体育の帰りの女子が斜めのバスにわんさか入ってきた。
女子のうちの一人、Hさんが、「プロとしておかしい」というようなことを言って運転手さんを責めた。私がその言葉にムッとして、その女子を指差して何か言おうとしたら「お前たちの荷物が邪魔で倒れたんじゃないか」と、後ろの席の見知らぬ男子が私に代わって言ってくれた。私も、「前の席で見ていたけど、運転手さんは荷物を避けるのにとても大変そうだったよ」と、男子に付け加えるように言った。女子たちは無言だった。運転手さんは頭をかいていた。

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