親友との別れ

湿地帯。沼のような、しかし透き通る湖のような場所。
イルカのような哺乳類の生物。ヒレが4本あり尻尾が一本。水色。30センチぐらい。私の親友。
私は二本足で立っている。長い銀髪をいくつもの紐で結っている。私は人間。こいつとは違う。

親友は語る。もう会えないのか、別れたくないと。
俺だって別れたくない、また会えるさと私は言った。
そうだ、と私は自分の髪を結っていた紐の中でも一番目立つ色(暖色系)を解いた。
「また会いに来る。約束のしるしだ。その時は、長とはお前が話をつけてくれ」
半ば思いつきで言って、その紐を親友の尻尾に結んだ。暗い沼の中でも、こいつが泳げば紐が揺らいですぐに見つかるだろうと踏んだ。

ところが、紐は思いの外短かった。それとも親友の尻尾が太かったのか。「もう一度結び直させてくれ…」と言うと、私は次の夢の中へ

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