お城の水、電車の惨劇

映像を観ている感覚。

中世ヨーロッパ風のお城。
お城から水が流れている。美しい。
水は、川のように城の外へと流れていく。

別の城から、ドバーっと水が一気に外に流れ込んだ。汚水だ。茶色く濁っていて汚ならしい。この城の水は私のものだと思った。

また別の城から、ドバーっと水が外に流れ込む。今度の水は赤い。いや、水じゃなくて血だ。
この城ではたくさんの人が死んだのだ、と思った。しかも残酷に。

「このように多くの人々が悲劇に見舞われる事故は過去にも起こっています。VTRをご覧下さい」

そんなナレーションが私の耳に入る。
映像を見ていただけの自分が、いつのまにか現場に居合わせている。過去の悲劇の事故の現場に。

モノレールのような、高い場所をレールで走る電車を、私は見上げている。
周りにも、見上げている人たちがいる。みんな外国人だ。私は海外にいるらしい。
電車は、後ろの車両から、内部で爆発を起こしていった。先頭車両まで、紐に火がついていくように、爆発が進む。

最後まで爆発しきると、今度はドカンと、ものすごい轟音が響いた。電車も、原型をとどめないほどの大きな爆発を起こした。

私は、すぐ上で起きた惨劇にショックを受けた。同時に、自分の身を守らなければと体を伏せた。あれだけの大きな爆発が起きたのだから、火や、コンクリートだかが飛んで来てもおかしくない。

少し時間が経った。自分の体に、何か危ないものが当たった感じはない。無事だ。
無事だが、私は身震いをした。恐ろしい。

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