格ゲーで敵に情が湧く

ナルトの格闘ゲームをやっていた。建物の中。大学の教室をでかくした感じ。マップはちょっと複雑というか、変(体育館を区切った感じ)で、区分に合わせてキャラが攻略する、といった感じ。

サクラ→ナルト→リー→サクラ(→ナルト?)
の順にストーリーを進めていく。

サクラはクナイ?のような斬る戦法。リーは打撃戦で一発一発は弱いが速くて数が当たると大ダメージが当てられる。ナルトは忘れた。

4番目のサクラで、特定のアイテムを集めたら戻ってアイテムを回収させて…というのがあった。アイテムは、建物を覆うまじないを解くためのもの。

宝箱を開けようとしたら敵に見つかって戦闘に入った。

薄暗い中でバトル。いつまで戦っても相手のHPは減らない。おかしいなと思いながら、その辺の仕掛けをいじったりした。すると、カーテンがばっと開いたり、ベランダの植物が見えたと思ったら、植物に向かって水道水が流れているのが見えたりした。

構わず戦おうとしたら、「違う!それをなんとかしないと俺は倒せない」と言われた。多分植物のことだ、とすぐに分かった。植物から吸収した栄養を取り込んでいるからHPが減らない。

私はベランダに出て(三人称視点だったのだけどこの辺りで一人称視点になっていた)、植物を引きちぎりまくって、水道水を止めた。ちぎらなくてもクナイで切ればいいのに、というような声が聞こえた。

やった!と後ろを振り返ったら、下半身を無くした男(敵)が上半身だけで天井に貼り付いていた。水が滴っていた。

私は可哀想になって、男をおろしてクッションの上に置いた。虫の息の男。

「あなたの名前は?私はサクラ、サクラ」と何度も呼び掛ける。男は、自分には名前は無い、というようなことを言った。じゃあさっきの植物の名前は?と訊いたら、「オソレシ」と言うので、「じゃあ、あなたの名前はオソレシさんにしよう」と言った。男は少し笑ったような気がした。

なんだか情が湧いてきて、「本当はこんなことしちゃいけないんだろうけど…」と、男をベランダに運ぼうとした。多分この男は植物由来だと思うから、太陽の光と水で少しでも生き永らえて欲しいと思った。

運んでいる最中に男を落としてしまった。慌てて戻した。が、それが決定打になったようで、何度男に呼びかけても反応がない。死んでしまった。私が落としたせいだと思った。罪悪感と男が死んでしまった悲しみでいっぱいになった。

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