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俳句四季新人賞懇談会のスピーチ

本日はこのような会にお招きいただき、誠にありがとうございます。

第4回俳句四季新人奨励賞を賜わりました、星野いのりと申します。

コロナ禍以降、生活様式や社会のあり方が一変し、結社や句会のあり方も再度考え直す時期もあったと思いますが、こうして皆様とここに集えたことを、喜ばしく思っております。

私が俳句をはじめたきっかけは、俳句甲子園という高校生の俳句大会がきっかけでした。

俳句甲子園では、五人対五人のチーム戦で、大会当日には、大きな掛け軸に書かれた、相手チームの誰かの俳句に対して、鑑賞を行います。

俳句甲子園も句会も俳句四季新人賞も、作者匿名の状態で選考、批評されるという心理的安全性に対して、家庭や職場などとは違う、私の居場所、サードプレイスとしての居心地の良さを感じています。

先ほど戦争俳句の話もありましたが、暴力によって、衣食住を、居場所を奪われた経験のある身としては、安全で安心な生活は、すごく貴重で幸せなことだと思います。

私も新社会人になりまして、慣れない仕事にぐちゃぐちゃになっていますが、安全圏にいるからこそ、声をあげねばならないこともあると思っています。

最近の活動いたしましては、ブンゲイファイトクラブという、小説詩俳句短歌川柳など、様々なジャンルの集う企画に参加し、何を書き、物語り、何を書かないか、なぜその形式を選び、何を更新し、社会を変革したか、など、自問自答するきっかけとなりました。

現在は現代俳句協会と俳句結社の炎環に所属しながら、彗星書架という、BL俳句の句会で活動しています。

先ほど俳句甲子園の話で、作者から切り離されることへの心理的安全性について言及しましたが、

BLという、マイノリティやクィアの生活様式や物語、クィアリーディングという開かれた読み、ジェンダー論や社会学的な批評が、俳句という形式や文化への新たな可能性を秘めていると感じています。

本日受賞の皆様には、改めてお祝い申し上げます。

東京都知事選の投票日ということもあり、新たな時代、新たな社会の潮流のただなかにいますが、俳句の力、定型や言葉の力を信じて、これからも精進して参りたいと思っています。

最後になりますが、本日はお招きいただきありがとうございました。

ご清聴ありがとうございました。








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