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番外編 新型コロナ後遺症のわたしがどうしても伝えたいこと

この連載(泥の中にいたアラフィフが地上に出て社会とつながり直すまで)は闘病記ではありません。しかしどうしてもお伝えしたいことがあり、番外編としてお届けすることにしました。後遺症理解の一助になれば幸いです。

前提として以下の二つを申し上げておきます。
1. 治療法の詳細やそれについての判断は書きません。対処法については症状の個人差が大きいこと、専門家の知見が日々更新されているからです。よって、わたしが参考にしたサイトをご紹介するにとどめます。

https://longcovid.jp/cheat-sheet.html

2. わたしはワクチン接種より前に新型コロナに感染し、後遺症になっております。時折「コロナ後遺症はワクチン後遺症」という解釈で読まれる方がおられますが、少なくともわたしはそうではありません。またワクチンの公衆衛生上の意義については理解しているつもりですが、個々の状況を無視して一律に推奨や反対をすることはありません。

前置きが長くなりました。では本編。

わたしが新型コロナにかかったのは2021年7月。ちょうど2年前です。
徐々に改善し、家事(一部を除く)と3時間程度のPC作業はできるようになりました。疲労度は最も悪かったときでPS7、今はPS3~2です。

疲労度についての解説
https://longcovid.jp/ps.html

経験した症状は、以下の通りです。(〇は現在も継続中、△は改善傾向)
1. 上咽頭の炎症〇
2. 不眠(眠りが浅い、早朝覚醒)〇
3. のぼせ・ほてり・寝汗〇
4. 頭痛、脳疲労△
5. 気分の落ち込み△
6. 腹痛・下痢・軟便・体重減少△
7. 倦怠感、労作後の疲労(PEM)△
8. 動作、歩くのが遅くなる
9. 身体の冷え(入浴しても暖まらない)
10. 嗅覚・味覚障害(約30日)
11. 脱毛(約45日×2回)
12. 息苦しさ(階段で息が上がる)△
13. 生理用品でかぶれる〇(コットン仕様にして改善)

このように、死ぬような症状はないけれど、入れ替わり立ち替わりいろいろな症状が現れます。個人差も大きく、動けず介助が必要になる方、文字が読めなくなる方もおられます。
腕に力を入れる作業、腕を上に上げる作業は(窓拭き等)負担が大きく悪化の原因になります。身体は常に重く、頭も上手く回らず急に年を取ったような感覚です。

だけど、たまに若返るのです。
あれ?治ってきたかな?と思うのですが、たいていぬか喜びに終わる…。

そんな状態なので、後遺症患者は仕事や人に会う前は、細心の注意を払って体調を整えます。
だから一見元気に見えるかもしれません。
だけどその日の夜や翌日は起き上がれないこともあります。
本人が一番悔しい思いをしています。

体調の波が大きく予測しづらいため、復職も時間がかかる。動きすぎるだけでなく緊張状態が続いた場合も悪化します。
職場に迷惑をかけている事に苦しむ人も居ます。嫌がらせを受けた人も。

また、再感染は数か月(場合によっては1年以上)働けなることを意味します。ワクチンで悪化する場合もあって、その場合は追加接種もできない。

後遺症患者にとってコロナ禍は終わっていません。

新型コロナ感染症が5類になり、しかもこの猛暑。マスクなんてしていられない気持ちはよくわかります。(わたしも人の居ない屋外では外します)
ただ、電車やバスなどに乗ったとき、この中に一人くらいは重症化リスクのある人、後遺症を抱えたひとがいるかもしれません。今なお会食や対面イベントを避け、感染防止に不十分と言われながらもマスクを手放せない人が居ることを知っていただければと思います。

感染者が増えれば一定の割合で後遺症患者が出ます。後遺症で命を落とすことはありませんが、生活の多方面で苦しくなって、死につながることもあります。

どうか後遺症をご理解いただき、ご自身の感染対策にも役立てて頂ければ幸いです。
自分のような経験は、誰にもしてほしくないのです。

(連載のバックナンバーはこちらから

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