心、ここにあらず。

35歳で若年性認知症と診断されるとは思わなかった。
先週末に信頼している主治医から精神科医としての診断を受けて、治療方針や今後の対応を聞かされてきた。それから数日が経過したいまも、まるで他人事、上の空が続いている。自分から診断を頼んだのに、提示された予見通りの診断を受け入れることが上手に飲み込めずにいる。

症状。具体的に言えば、夢と現実の境界線に分別がつかなかったり、息子の名前が咄嗟に出てこなかったり、注意力の著しい低下、感情をコントロールできない、自分で薬の管理ができない、ご飯を食べたことを忘れてしまう、等々。認知症の症状が的確に当てはまりすぎている。

12月中旬に脳神経外科でMRIの検査をすることは決まったけれど、脳の萎縮が見られたら脳神経科と精神科として若年性認知症でダウト。脳の萎縮が見られなければ精神科で再検査が待っている。
よくあることで、自分の気持ちを文字におこすと、幾分か気持ちが落ち着いたりするものだけど、今ここまで書き進めても感情の起伏がない。むしろ深淵へと落ちていくようだ。やはり12月のMRIの検査が終わらないと先には進めないらしい。

ネットを開けば「働き盛りの50代からの発症が顕著である」と書かれていて、50歳まであと15年もあるのになと天井をあおいでも溜息しか漏れてこない。仮に若年性認知症だとして、愛する妻子や素敵な思い出の類を忘れてしまったらと想像するのは辛い。辛すぎる。でも、それが「辛すぎる」という感情のカテゴリーに収納できていることは未だ救いなのかもしれない。

明日は飛行機がよく見える公園に家族でピクニックに行く。明日だけは悶々とした感情を引きずらず、心のままにに楽しんでこれたらと思う。4歳の娘と1歳の息子を抱っこして、手を伸ばせば触れられそうな飛行機に手を伸ばしてこよう。おやすみなさい。

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