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【ライブレポート】2020/12/17 ストレイテナー ONLINE ONE-MAN LIVE "STRAIGHTENER20201217"

ほぼ毎年、師走に開催されるストレイテナーのワンマンライブ。今年はコロナで開催できない状況ということもあってか、観客数を絞って配信と併せての実施となりました。

例年であれば新木場スタジオコーストが会場となるのですが、今回は渋谷CLUB QUATTRO。自分たちの原点に立ち返る、という意味合いもあるのかもしれません。

SE「STNR Rock and Roll」が流れ、ステージに4人が登場すると1曲目「叫ぶ星」でライブスタート。開演前まで着席していた観客も、総立ちで手を上げて楽しんでいる。この場にいる人たちを羨ましいと思う気持ちもあるけど、こういう景色がまた見られることの喜びがジェラシーを上回る。OJの笑顔も眩しい!

「泳ぐ鳥」のイントロで爆発する、ゴリッゴリなベースに酔いしれる。まるでギターのようにベースを弾くひなっち、めちゃくちゃ楽しそうです。ホリエの喉も調子いい感じ。

ホリエが楽しそうに歌う姿も印象的な「FREEZING」を経て、一呼吸。

「俺たちストレイテナーって言います」
「久しぶりでちょっと力入っちゃってます」
「そしてちょっとカッコつけちゃってます」
「そんないつものストレイテナーです。最後までよろしくお願いします」

ファンにはおなじみ、いつものホリエの挨拶も今日はなんだか感動してしまう。

「彩雲」「Grafitti」と惜しげもなく名曲を投入。さらに続く「DAY TO DAY」での、ひなっちじゃないと無理!という冒頭の唸るベースに引き込まれていく。最初のひとサビが終わったところで「聴こえるかい?」と叫ぶホリエ。あまり観客を煽るようなことは言わないホリエですが、久しぶりとなるライブハウスでの有観客ライブに興奮が抑えられないのかもしれません。

ホリエがギターからキーボードに楽器をチェンジして「Tonelss Twilight」へ。現場にいたら腹に響くんだろうなあという、シンペイさんのドラムが恋しくなります。OJのコーラスワークも優しい刺激に満ちていて、これらの音が今ライブハウスで鳴っているんだなと、なんだか感慨深い気持ちに。

今の季節にピッタリな「灯り」では、ホリエがひとり歌い始めてから、3人のサウンドが加わる瞬間にゾクゾクします。「さよならだけがおしえてくれた」でエア熱唱するシンペイさんをカメラが捉える。メンバーの曲への愛が伝わってくる、こんなシーンはご馳走です。

ここで少し長めのMCブロック。久しぶりに出てきて1曲目が新曲ってのはよくないね、とシンペイさんが言えば、肝が縮んだ、と答えるひなっち。緊張感たっぷりなオープニングを振り返るメンバーたちです。

「QUATTROって場所で原点に帰って、ライブってこんな感じなんだってのを取り戻そうと思って」というホリエ。そこから、テナーらしさやロックのカッコよさについてトークが転がっていきます。また、今日のライブでステージに登場するタイミングがズレていたことを暴露するメンバーたち。ひなっち&シンペイさん VS OJで「あの部分で出るはず」「いや、コードが変わったタイミングで出るって話だった」というプチ論争が巻き起こる場面も。

とにかく緊張したというシンペイさんは「さよならだけがおしえてくれた」のアウトロで、解放された表情を浮かべていたフロント3人に言及。ホリエは「“カッコいい”と“解放”の半々」だと言えば、「俺は解放100%」と言い切るOJ。こんな達者なミュージシャンでも新曲披露時は緊張するんですね…!

いい感じで温まる4人のトーク。ここまでのライブにも充実感があるようで、「こういう感じで地方もまわりたいよね」「ここに来ている人にも、配信を見ている人にも全身全霊で届けたいと思ってるんで」と話すホリエでした。

ライブもここから後半戦。「メロディックストーム」冒頭でドラムに足をかけて立ち上がりピースサインするシンペイさん。これぞメロストのオープニング!少数とはいえ目の前に観客がいるとこのパフォーマンスにも力が入ったことでしょう。

11曲目は「シーグラス」。毎度思いますが夏の終わりを歌う寂しさのせいなのか、年の終わりである年末にもなぜかしっくりくるんですよね。皆マスクをして声を出さず楽しむフロアですが、まるで歓声が聞えてくるような熱気が伝わってきます。

「『Applause』から今いちばん歌いたい曲やります」という言葉から「No Cut」を披露。緊張の新曲、本日3曲目です。「TENDER」ではOJのコーラス、ひなっちのベースが曲の魅力をさらに引き出していく。リズム隊は文字通りリズムを作り、バンドの音を支える存在ですが、ひなっちのベースは彩りにもなる稀有な存在です。

開けていくようなイントロが印象的な「スパイラル」。同期かなと思うような音もOJがギターで弾いていて、4人で奏でる音の可能性をひしひしと感じます。そしてひなっちが素晴らしい笑顔でプレイしている、そんな姿を見られるのがホントに嬉しい。

「席があるから暴れたくないような曲をやってきたけど…最後はロックして」というホリエの言葉からギアを一段UPさせて今日最後の新曲「Death Game」へ。曲前に確認していたカウント「ワンツースリーフォー!」をひなっちが炸裂させる。バンド全体がさらに熱量を増す中、座っているシンペイさんがいちばん暴れているように感じるほど激しいアクションを繰り出していく。最新曲だというのに不思議と15年選手のような味わいがします。

「From Noon Till Dawn」ではバンドだけでなくカメラワークまで暴れているよう。笑顔が弾けるシンペイさんや歌い方もワイルドでロックスターなホリエの姿にドキドキ。

本編最後を飾ったのは、OJのブルージーなハープが投入された「YES,SIR」。これは泣ける。モッシュピットに突っ込むイメージしか湧かない。外的な行動に制限のあるこの会場で、心だけは何にも縛られないんだよと言わんばかりに観るものを煽るような強烈なパフォーマンス。画面を見ながら胸が熱くなりました。

アンコールは先ほどの激しいアクトの余韻を上書きするかのごとく、4人のまったりトークで始まります。

今日のライブでは初心に帰れたとのことで、QUATTROで頑張っていたときの昔を思い出したんだそう。ステージ前で堂々と存在を主張するあの柱について、やっぱり邪魔に感じる…そんなQUATTROあるあるな話も。しかしここでホリエが「QUATTROの柱が渋谷を支えている」発言。今年最後の名言飛び出しました。

有観客ライブの充実感からか、この熱気がカメラの向こうにも伝わっていると感じたようで、視聴しているみんなムラムラしているかも、あるいは暴れているかも!?というトーク。目の前にいる観客だけでなく、配信を見ているファンの姿を想像してくれるのは、いち視聴者として嬉しかったですね。まあ、実際相当ムラムラしていましたけども。

新曲のカッコよさについても語りだすメンバーたち。シンペイさんが「Death Game」のあとの自分たちの“決まった感”を自画自賛すれば、ニチアサならあそこで終わってた、とひなっちも応じる。

仲の良いテナーらしさがあふれる、そんな時間も間もなく終わりを迎えます。

「まだ不安とか葛藤とかあるけど」
「前に進みたいなって気持ちもあるので」
「これからも一緒に、よろしくお願いします」

ホリエの言葉を最後に、大トリを務めるのは「ROCKSTEADY」。歌の後ろで鳴るOJのギターが気持ちいい、とてもエンディング感のある一曲をもって、『ストレイテナー ONLINE ONE-MAN LIVE "STRAIGHTENER20201217"』は幕を閉じました。

個々のスキルが高いだけでなくキャラクターも魅力的で、メンバー同士の呼吸も抜群。楽曲の素晴らしさ、演奏の見事さも含めてやっぱりストレイテナーは最強バンドのひとつだなと感じるライブでした。

来年はライブハウスで彼らのステージを味わいたい!

セットリスト
01.叫ぶ星
02.泳ぐ鳥
03.FREEZING
04.彩雲
05.Grafitti
06.DAY TO DAY
07.Tonelss Twilight
08.灯り
09.さよならだけがおしえてくれた
10.メロディックストーム
11.シーグラス
12.No Cut
13.TENDER
14.スパイラル
15.Death Game
16.From Noon Till Dawn

EN.
17.ROCKSTEADY

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