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【ライブレポート】2022/8/5 Jam Fuzz Kid 2nd EP RELEASE TOUR@Spotify O-Crest

Jam Fuzz Kidのレコ発ツアー初日に行ってきた。彼らのライブを観るのは、5月に下北沢シェルターで開催された極東飯店とのイベント以来。若いバンドは数ヵ月の間でグンと変化することもあるが、まさに今日のJam Fuzz Kidは、また一段ギアが上がっていた印象を受けた。

SPARK!!SOUND!!SHOW!!

まずは対バンとなるSPARK!!SOUND!!SHOW!!のライブから。名前はもちろん知っているが、ライブを観るのは今日が初めて。

開演時間を10分ほど経過してからの登場。若手バンドのライブの割に結構押したな…どっちのリハが長引いたのか、それとも別の理由か…などと余計な考えが浮かんだものの、ライブが始まれば一瞬で吹き飛んだ。

結論から言って、SPARK!!SOUND!!SHOW!!のライブは、めちゃくちゃに楽しい。しっかり埋まったフロアも、主催のJam Fuzz Kidではなくスサシ目当てのファンばかり!?と思うくらい、たくさんの人が手を上げたり踊ったりとそれぞれが楽しんでいる。それもめちゃくちゃいい笑顔を浮かべながら。

「しあわせになる」「無愛愛」といった曲や、お経の歌詞が飛び出す「南無」など多種多様な楽曲をこれでもかと投入。とある楽曲では、全員が楽器を置いてステージ前方へと飛び出して歌いだす場面もあった。ハチャメチャでカオスなパフォーマンスとキャッチーな楽曲の組み合わせも面白い。

MCでタナカユーキ(Vo/Gt)はJam Fuzz Kid、そしてRiki(Vo)について触れる。まずはツアーに呼んでくれたことへの感謝を。そして少し暑い春の日に彼らのライブを観た際、Rikiが両の掌を口元に運び、何度も息を吹きかけていたことについて「寒かったのかな笑。カッコいいよな。真似しようかな」とイジリ、さらにRikiを観たあとはスタンドマイクで歌うようになった、とも語る。

「あのときはタンクトップだったので、今はチューブトップらしいんで」と再びRikiをイジリつつ「曲は最高なんで」とフォロー。そんな様子をステージ袖からニコニコしながら覗いていたRikiの姿も印象的だ。

また、同じような対バンはつまらないので今回のオファーを受けた、とも語り、Jam Fuzz Kidを知らないスサシファンに向けて「SPARK!!SOUND!!SHOW!!が出演を決定した。マイミク申請を承認したってことは、“大丈夫”ってこと。めちゃめちゃパーティして帰ってください」と太鼓判を押し、Jam Fuzz Kidへのバトンをしっかりと繋いでいく。

めちゃくちゃおしゃれなサウンドに思わず体が揺れる「ゆーれい」、そしてライブの最後を飾った「YELLOW」など、ハードロック、メタル、エレクトロ、スカ、シティポップ等ジャンルの壁を自由自在に行き来し、ひたすらに熱く楽しいステージを繰り広げていたSPARK!!SOUND!!SHOW!!。彼らのライブが初めてな自分も自然と笑顔になっていた。

大した予備知識なくとも興奮と驚きをもって楽しめる、そんなSPARK!!SOUND!!SHOW!!のライブ初体験となった。

Jam Fuzz Kid

続いてはJam Fuzz Kidの出番だ。現状、バンドの格や知名度の部分でもスサシのほうが上であり、先ほどまで埋まっていたフロアもどうなるだろうと若干不安もあった。しかし、位置の入れ替えなどはありつつ、同じくらいの観客が残っており一安心。

ここからはツアーのネタバレを含むレポートになってしまうので、これからこのツアーに参加するという方は、ライブ後にぜひチェックしていただければと思う。



Jam Fuzz Kidのライブと言えば、まずは楽器隊のみ登場し、「Untitled」を演奏。その途中でゆっくりとRikiがステージに現れて場内が沸いたところで、本格的にライブが始まるというスタイルだ。しかし今日は違っていた。メンバー全員が揃った状態で、いつものライブではラストナンバーとなることが多い「Sunshine Highway」での幕開け。しかもRikiはトレードマークともいえる坊主頭を卒業していた。予想外×3のサプライズなオープニング。新章突入感あり。

その後は重厚感たっぷりな「Fringe」、最新EP収録の「anomie」、冒頭のJohn S.Kobatake(Ba)によるベースラインが最高に痺れる「Tunmbleweed」など、スサシとは好対照な、UKギターロックの王道を突き進むようなライブを見せる。

Rikiはスサシとの対バンについて「今日は、負けるつもりはないんすけど、超嬉しいっス!」と笑顔で語る。また、今回はJam Fuzz Kid史上初となるツアーということで「バンド人生1回しかないんで、レアです。(今回来場した方は)おめでとうございます。ここからどんどん回っていって、でかくなるんで」とRiki節を披露。

ライブ中盤には、ショートセット等ではあまりやらない印象の「Parade」を演奏。自分が観に行ったライブでもなかなか聴く機会に恵まれなかったこともあり、イントロが流れた瞬間、思わずガッツポーズをしてしまった。

さらに、ここから折り返しの再スタートとばかりに「Untitled」を挟み込み、「日本を代表するロックバンド、Jam Fuzz Kidです」とRikiのビッグマウスも放たれる。このRiki節を聞かないと物足りなさを感じるほどだ。

「おい、いけんのかCrest!」と嬉しそうにフロアを煽りながら「consequences」、「KABUKI」を投下すると、代表曲のひとつともいえる「Tyler」へ。

これまで足を運んできたライブでは、盛り上がっていても上がる拳は数人程度、というケースが多かった。しかし今夜はどうだろう。10人あるいは20人、もしくはそれ以上にたくさんの拳が曲に呼応し、次々と掲げられていた。それも「Tyler」に限らず他の曲でも、同じくらい盛り上がっている。2021年10月に初めて彼らのライブを観て以来、今日が最高だと思えるほどの熱をフロアから感じて、思わず目に涙が。しかしここで泣くわけにはいかない。まだまだここからだ。

それでも、ヤマザキタイキ(Gt)、そして旧メンバー脱退後に加入したアサイリュウ(Gt)というツインギターが奏でる、90年代UKサウンドと2020年のロックが融合したスケール感たっぷりのギターがグイグイと涙腺を刺激してくるので油断ならない。

ライブ終盤、Rikiは「4年間やってきて、ほぼ半分コロナで、ちくしょうみたいな生活ばっかでしたけど、こうやってめっちゃかっけえ景色見られて最高です」「かっけえと思える先輩と上目指して、俺らもどんどんやっていけたらいいなと思っております」と話し、バンドの2022年を代表する曲のひとつ「Pluto」、そして最新EPから「Shimmer」を披露。本来であればここで本編終了となり、メンバーも退場となるのだが、Rikiは言う。

「一度はけてアンコールのはずなんですけど、それはたるいんでこのままやります。アリーナとかだったら(アンコールのフォーマットで)やります笑」

まだるっこしい手順は省いて、そのままアンコールへと突入するあたり、Jam Fuzz Kidらしさを感じる。ここで1件告知を投入した。11月11日に渋谷WWWでのワンマン開催を発表し、チケット発売もスタートしたとのこと。今年の春、渋谷WWWでのイベントに出演した際、Rikiは「年末までにはここをパンパンにする」と宣言していた。

5月のシェルターから3ヵ月、今日のO-Crestの景色を見たうえでこのWWWワンマン開催を知り、感じたのは、このツアーがまさに有言実行に向けた大きな一歩だということ。

そんなJam Fuzz Kidの、バンド初となるツアー初日のラストを締めくくったのは

《Gonna start a revolution》
《Where we gonna go is Hell like a Heaven》

と歌う「Where we gonna go」。

上昇気流に乗るJam Fuzz Kidが始めた革命の旅は、まだまだ続く!




セットリスト

01.Sunshine Highway
02.Fringe
03.anomie
04.Tunmbleweed
05.601
06.Wheels
07.Parade
08.Afterglow
09.Untitled
10.consequences
11.KABUKI
12.Tyler
13.Pluto
14.Shimmer
EN.
15.Where we gonna go

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