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子供だったし。昭和だったし。

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人生とっくに折り返し、思い出がふつふつと湧いてくる。もしかして死期が迫っているのかしら?(苦笑)と思ったり思わなかったり。昭和だったし、子供だったし、まけずぎらいだったし、泣いた…
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ユヤマくん

ユヤマくんはとっても色が白かった。ほそっこかった。 ユヤマくんは頭がよくて、お勉強が出来る子だった。 でも、かけっこはちょっとおそかった。 走るとすぐにほっぺが真っ赤になった。 ユヤマくんのママはお家で近所の子供に、お勉強を教える塾を開いていた。 とても大きなお家。 門くぐり、玄関までの敷石の両脇にツツジが植えられていた。 あざやかなマゼンダ色のツツジが一斉に咲いた。 ユヤマくんのお家に入るまで、ツツジがずっとついてくる。 「ユーヤマくん。アーソーボー」 広いお家の中で

白い帽子 と 都合のよい記憶。

「これはレモンのにおいですか?」 「いいえ、夏みかんです。」 そのフレーズがずっと忘れられなかった。 そしてそのフレーズを思い出すたび、脳裏に浮かぶのが 菜の花畑と、モンシロチョウと、 いわさきちひろさんのちょこん座る女の子の絵。 レモンだか、夏みかんだか曖昧な黄色のイメージ。 小学校の国語の教科書に載っていたお話。 お話のタイトルも内容も抜け落ちている。 大人になってから、そのお話の全部が知りたくて 本屋さんに行っては、それらしい話が載っていそうな本を探したが どうし