余白をもつ

余白をもつ

その余白に
息を吸い込むように
夜明けの静けさが流れ込む

ゆっくりと

気が付いたら
余白に朝焼けの色がとけて
頁の端を彩る

彩られてから、初めて
朝の薫りを感じる

音を感じる
心を感じる
鼓動を、感じる

営みは、楽ばかりではないかもしれない
息苦しさに
感じていた細やかな幸福や、大切なもの
大切に、したかったものも
見失ったように
失われたように、思えて
立ち止まって、傷付くこともあるかもしれない

それでも、ふと

誰かの心が残す美しさが
そうして、形づくられたものたちが

混ざり合って
決して、主張するでもなく
沁み込んで、解けていくとき

静寂の余韻の中で
私は、私のまま
満ち在りていることを感じる

そうして、また少しずつ
歩を進めていく