4両編成の満員電車では君に到底敵わないから
きっといつまでも
敵わないんだと思う
実は臆病者で
泣き虫で見栄っ張りな私
それを世間が
どこまで理解してくれるか知らないけれど
物凄く嫌悪感のある機会音
涼しくも暑くもない気温
自分たちの湿気で湿る合皮のクッション
小さな口と
何も言わせまいと包み込む俺の腕
読む程で持ってきたお互いのオススメの漫画
いつも1人で来るところに
連れて行きたいと思ったのを
心の裏側を覗かれたような気がして
少し後悔していた
人間誰しも自分が1番で
あんまり誰かを認めようと思えない
少なくとも俺は思えない
けど初めて会った時から
いや君が何気なくSNSに載せていた
あの言葉を見た時から俺は
敵わないんだと悟ってしまっていた
認めたくなくて距離をとったし
憧れが憧れじゃなくなる気もしたんだ
分かってよ、ごめんね
きっと
この先一生
電車に乗る時は足元を見てしまう
君のせいだ
朝寝ぼけながら誰かが置いていった無糖の珈琲
昼間彼氏と話すことに夢中になって忘れた紅茶
夜好きでもない上司に褒められようと飲んだ酒
ビン
カン
ペットボトル
なんだって良いけど
早く俺の足元まで転がってきて
満員電車だろうと
4両編成だろうと
早く転がってきて
そうしないといつまで経っても
俺はあの子には敵わないから
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?