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秋はとうに過ぎたよ、新しい春が来るよ

それは秋のとある日のこと。
出かけたついでに立ち寄ったデパートで、靴がバーゲン価格で並んでいました。本当は別の用事での来店だったけれど、ちょっとのぞいてみるとデザインも色も好みの一足が見つかったので試しに履いてみました。

「ち、小さいぃ」
履く前にサイズは見ていて、どう考えても小さいなと思いながら履いたけど、やっぱり小さい。
ただ、その靴はツイードのやわらかい素材で伸びもあるような材質。履いていくうちになじんでくる商品だとスタッフの方が話してくれました。在庫一掃の臨時のバーゲン、そのデザインも色もサイズもその現品一点限り。

迷いに迷いました。びっくりするほど安くなっているし、デザインも色も素材も申し分ない。靴擦れしやすい私は、横幅にゆとりがあって楽に履ける柔らかい素材は靴選びの大きなポイント。ただ、問題なのはサイズだけ。確かに今は小さいけれど、履いていくうちに伸びてくるのでは…そう期待して購入しました。

それから1回履いてみたものの、やっぱり小さい。
とても窮屈で歩いているうちはしょうがないものの、座ったとたんに靴を脱いでしまう始末。立ち上がり移動するたびごとにまた履いたりと慣れない靴の足元に気をとられた一日でした。
それからは、たくさん履いて早く慣らそう(伸ばそう)と思うものの、あの窮屈さを思うと敬遠してしまい、ちょっとそこまで~の近所に出かける用にしようと変更。すぐ履けるように手に取りやすい場所に置いておいたけれど。

やっぱり履かない。ちょっとそこまでの近所でも、履かない。ゴミ捨てに行く時にすら履かない。だって小さいんだもん。窮屈なんだもん。

履かないなら、もう処分してしまおう。そう何度か思いました。でもなかなか捨てられませんでした。履かないのにずーっと置いてある。
すっごく安くてお得だったから、好きなデザインだったから、シーズンに合う素材だから…。捨てない言い訳を並べ、「そのうち履くかもしれないし?」なんて言葉も浮かんだけど、「いや、履かないでしょ」と思い直した。

シーズンに合うデザインと素材と色、見た目には問題がないけれど、でも小さい。窮屈でガマンしないと履けない。履いてもすぐ脱ぎたくなっちゃう。足に合っていないの、自分に合っていないの。
でもそれを認め捨てようとすると、損したくない、失敗したくない、後悔したくない、選択ミスをしたくない…。

「なんか、変なプライドみたい」

自分にガマンをさせて、窮屈な思いをさせて、私は何をしようとしてるんだろう?外側ばかり整っていても、履いて出かけることができない。そう思ったら、小さくて薄っぺらなプライドに少々呆れながらも、もういらないよね?そう素直に聞けました。

同じように履き心地がいまいちで掃いていなかった靴や、もう履かなくなってしまった靴とともに処分しました。
靴はご縁のあるところに連れていってくれる、ビジネスのチャンスを生み出してくれる、だから、靴の買い替えは定期的にやるといいよとそんな話をきいたこともあったせいかもしれない。

2021年3月20日は、占星術の世界では元旦。「宇宙元旦」といって新しい年のはじまりのようです。
新しい年のはじまりと同時に、去年までの不要な靴とプライドは捨てよう。
そして新しい靴を買おう。色んなところに連れていってくれるような、いろんな人や物とのご縁を結んでくれるような、ちゃんと自分に合った心地良い靴を。


今日もありがとうございます。


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