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上田聡子
2019年2月1日 09:06
厨房の流しで手を洗ったあと、礼子は業務用冷蔵庫の正面にかけてあるタオルで手をぬぐい、タオルかけのすぐ上にマグネットで留めてある、予定をマジックで書き込みすぎて真っ黒になった一月のカレンダーをめくった。今朝から、二月になる。美大時代のイラストレーターの友人が「仕事をした記念に」と礼子にくれたこのカレンダーは、水仙と福寿草が水彩のていねいな筆致で描かれている、とても洒落たものだった。そんな良い