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干場弓子の思いつき日記●大人にも役立つ小学生のための文章力アップの秘伝

先日、アルバエデュさんのオンライン「おうち学校」1時間授業で、子どもたちに、最後の10分ぐらいで結論としてお話しした文章を書く秘伝と、そのための参考図書のご紹介をシェアしておきます。

耳で書く(音楽が聞こえるように。リズムを打つように)
目で書く(映像が見えるように。説明ではなく、描写)

そのための訓練として、

いい本を
口で読む(朗読。声に出して読む)
手で読む(写経のように、原稿用紙に写す。キーボードに打つんじゃなくて、鉛筆やペンで)
たくさん読む

なんのこっちゃ!? 詳しく教えろって?
これは、秘伝なので、自分で考えてください。
っていうか、また、気が向いたら、詳しく書きますが、今日は結論だけで。

そのかわり、口で読む、手で読むためのおすすめの本を書きます。

まず、幼児向け。

お子さんがお好きなものでいいと思いますし、文章としては優れたものが本当にたくさんありますが、わたしが、何百冊と息子に読み聞かせてきた中で、いちばん読みやすく、今でもそらんじてしまっているのが、

松岡享子さんの訳による『くまのコールテンくん』(偕成社)

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松岡さんの訳は、ヘンリーくんシリーズもそうですが、懐かしいのにいつまでたっても古びない優しい文章だと思います。

低学年には、当日、例題にも挙げた
小峰書店、小林清之介さんによる『ファーブルこんちゅう記』

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繰り返しのリズムがいい。情景が目に浮かぶ。
まさに、耳で書き、目で書いた文章!


中高学年には、いろいろありますし、そろそろ明治大正の「古典」が読める年代ですが、そういうのは教科書にあるので、比較的新しい作品でわたしが好きで、文章が優れていると思うのは、辻内智貴さんです。

なかでも、『信さん』 小学館

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これは、子ども向きの内容ですし、短編ですので、全部写すこともできると思います。

淡々とした描写ながら、何回読んでも、最後、私は泣いてしまいます。それから、やさしい気持ちに包まれます。


最後に、ついでに、大人向けの、「手で読む」本をご紹介します。ご存じの方は、またかといわれてしまうこれ、丸山健二さんです。

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「は」にするか、「が」にするか、1週間悩んで書いてるんじゃないかとおもわせるような細部にいたる緊張感があります。と思っていたら、なにかのエッセイで、ほんとうに、一字一句、そのくらい考えに考え抜いて書いていると、仰っていました。

『月に泣く』がお勧めですが、品薄の中古本か高い全集のみ。でも、さっそく図書館で借りて読んで、感動した! というお声をいただきました! ぜひ!

なお、この記事は、干場弓子オフィシャルサイトの連載の一部です。全容は、こちらからどうぞ!!


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