告白雨雲|ショートショート
「できたぞ!」
博士の雄叫びを聞きつけた助手が、研究室に飛び込んできた。
「どうしました?」
博士は落ち着いた笑顔で応えた。
「なんでもない」
博士は慎重にドアを閉める。
「誰にも見られてはならん」
博士はフラスコの透明な液体を揺らしながら、微笑んだ。
この透明な液体こそが、長年の研究の成果、「愛の妙薬」であった。たった一滴でたちまち恋に落ちる。
博士はこの大事な研究成果を自宅で保管しようと考えた。
フラスコに栓をし、家路を急ぐ。博士は研究のため三日三晩寝ていなかった。