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教習所を卒業して30年。初心者講習ふたたび。


先日、運転免許証の更新をした。
初心者講習だったので講習時間が120分だった。うぉぉ、長い……。

私が行った日の初心者講習は、違反者講習との合同講習だったので、会場には2種類の受講者がいた。
両者はわりと簡単に見分けがついた。
初心者講習の人は黄色い札を、違反者講習の人は赤い札を持っているからなのだが、それ以外にも前者は「免許更新の講習って何をするんだろう?」というような、初々しさの残る顔をしているのに対して、後者は気だるそうだったり、傍若無人な様子で椅子に腰掛けたり、講習中はスマホを触らないよう言われているのにずっと触っていたり、違反を取られたことに未だに納得がいかない話を講習担当者に詰め寄ったり、クセが強かった初々しいという感じがとても少なかった。
合同講習はヒヨコと軍鶏を同じケージに入れました感にあふれていて興味深かった。

かく言う私は教習所を卒業して30年。
それなのに今さら初心者講習を受けることになったのは、日本の運転免許証が、ニュージーランドに住んでいる間に完全に失効してしまったせいだ。

「じゃあ、もう一度、教習所に通って免許を取り直したの?」と問われれば、答えはNOである。
なぜなら私には、ニュージーランドのドライバーズライセンスから日本の運転免許証に事務手続きだけで切り替えられる『外免切替』なる奥の手があったからだ。

ただ、その場合、日本の運転免許証を新たに取得したことになるので、再び初心者になったのだ。

ちなみに。
私のニュージーランドのドライバーズライセンスは、日本の運転免許証から事務手続きと視力検査のみで切り替えたものである。
ニュージーランドと日本はどちらも左側通行で、運転に関する法律も似ているため、お互いに書類仕事だけで運転免許証の切り替えが出来るのだ。
(正確に言うと、運転免許証を取得してからの年数とか、取得後の滞在期間に条件があります。)

ニュージーランドのドライバーズライセンスの有効期限はなんと10年。
免許証写真を撮る時には担当者から「もっと笑って」と言われる。
そう言われましても「免許写真では笑ってはならぬ」と言われて生きてきた日本人なので、映画「アダムスファミリー」の中で無理矢理笑おうとするウェンズデーくらい、ぎこちない笑顔にしかならなかったのだが。

帰国時にやった外免切替は、新型コロナ対策と相まって、まあまあ大変だった。

たとえば、外免切替にはドライバーズライセンスの翻訳をJAFへ依頼する必要があるのだが、当時は直接JAFへ出向くのは認められておらず、ライセンスと費用を現金書留で郵送しなければならなかった。

他にも本籍地の分かる住民票や、ニュージーランドに3ヶ月以上滞在していたことを証明できる書類(自動ゲートの普及以降、パスポートでは証明できないらしい。)など、必要な書類をドラゴンボールのように根気強くかき集め、ようやく免許センターに予約の電話をかけられるのだ。

しかし、外免切替をやっている曜日は限られているうえに、私の場合、たまたま高校を卒業した若者の免許取得ラッシュと重なってしまったので、免許センターの人に「予約は1ヶ月後です。」と申し訳なさそうに言われることになったのだった。
タイミングが悪い……。

そう、私と運転免許の更新はなぜか相性が悪い。
17年前にも、生後1ヶ月の乳飲子のムスメを抱っこして更新に行かなければならなかった。

私の誕生日は6月末なのだが、更新が可能になる5月末にはムスメが生まれて母子ともに入院中だった。
さすがに更新どころではない。

妊婦の場合、前倒しで更新できるらしいのだが、私は出産以前にも何度か入院したり、投薬していたので、それもまた利用できない状況だったのだ。
ほんっとタイミングが悪い……。

こうして書き出してみると、私が経験した運転免許に関する手続きは、なかなかのバラエティに富んでいるなと思う。
我こそは百戦錬磨のペーパードライバーである。(へへへ、そうなのよ。)


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