フェミニストが日々のトランス差別に思うこと

私はトランス差別に反対するフェミニストです。その立場から、主にTwitter言論に感じる苦しさの吐露をします。

前置き

　最近、LGBT法等があり、トランスジェンダーの方を中心に、LGBTへのバックラッシュが激化しています。私は、自らをフェミニストだと言い始めて数年経ちますが、ここまでフェミニストや女性と思われるアカウントから、ヘイトが噴きあがるのか…と苦しく思っています。実際は、私が見えていなかっただけで、たくさんあったのだと思います。それは私の鈍感さや、TLの構築に拠るところが大きいのでしょう。
　ここでは、トランスヘイトについて書いていきます。誰かを傷つけるような表現をした場合は。ご指摘いただければと思います。

私が感じる苦しさについて

　私が現在、苦しさを感じている点は2点あります。①普段マイノリティとして差別される痛みがわかっているのに、自らの集団より少ない人々にマジョリティ性を最大限発揮している点。②不安のあまり、将来的に自分の首を絞めてしまいそうに思われる点です。

①普段マイノリティとして差別される痛みがわかっているのに、自らの集団より少ない人々にマジョリティ性を最大限発揮している

　単純に「どうしてだろう」と思います。マジョリティに踏まれる痛みはわかっているはずです。「既にこちらは痛いのだから、まずは足を退けろ」と言っていたのではないのでしょうか？トランスジェンダーを含む性的な少数者たちは、今まさに痛がっているのではないでしょうか？
　例えば、男性から女性に、トイレの使用状況を訊いたら「は？気持ち悪！」となると思います。明らかなセクハラだからです。これは同性であってもあまり訊く機会はないと思います。なぜ安全のもとであれば訊いても良い、トランスジェンダー（特にトランスジェンダー女性）なら訊いても良いと思うのでしょうか？
　トランスジェンダー（の女性）は、性暴力被害者になり得ず、ただ女性を暴力に晒したい人々でしょうか？普段性暴力を受けやすい女性だから許されるのでしょうか？弱い立場にいる人間は差別者たり得ないのでしょうか？私は否の立場です。

②不安のあまり、将来的に自分の首を絞めてしまいそうに思われる

　女性と男性はどうやって見分けるのでしょうか。Twitterではびっくりするほどトイレと風呂の話が出ます。風呂は体の形によりますが、トイレはどうでしょうか？声を発さず、パッと見でとなると、体格と服装、髪型だと思います。世の中の男性は、みんながたいが良く、背が女性より高いでしょうか。世の中の女性は、みんな華奢で、背が男性より低いでしょうか。違うと思います。線が細いことを悩む男性が居て、がたいが良く似合う服が限られることを嘆く女性がいます。残る判断材料は服装と髪型です。女性らしい見た目をするのでしょうか。男性らしい見た目をするのでしょうか。
　女性と男性は見分けられる言説に対して思うことです。まず、前提としてそんなに見分けられるものでもないと思います。人間は様々な見た目をしています。私は体毛が濃く、明らかに産毛でないしっかりとした毛が顎に数本ちょっと生えます。肌も弱いですし、体毛の処理は気が向いたらやります。背は低いですが、がたいは良さそうに見えます。似ている有名人は男性です。女性向けの服も、男性向けの服も着ます。割合は2対8くらいです。私は女性らしい振る舞いや、服装は自分に合わないと思います。それを他人から求められる謂れも当然ありません。
　私がフェミニズムで共感している部分に、女性らしさからの解放があります。にもかかわらず、自ら女性らしさに回収されてしまうのは変だなと思います。

まとめ

　ここまで、私の苦しさを吐露してきました。正直なところ、トランスヘイトをしても女性差別も性被害も無くなりません。意志決定の場にいるのは、相変わらず男性ですし、性加害者は男性がかなりの割合を占めます。
　性加害について必要になるのは、性教育の充実、性加害が起こりづらい空間を作る、加害者への更生プログラム、二次加害や性加害を許さない意識を社会全体のものにすることだと思います。これにより、性被害の数自体が抑えられるのではと考えます。また、意志決定の場には、ある程度の数女性やマイノリティを入れると決めて入れていくのが良いと思います。専門家ではないので、違う部分や、足りない部分はあると思います。
　今そうじゃないから、安全ではないから不安になる気持ちはわかります。でも、それはトランスヘイトをしないことと両立します。今の状況はただ分断を生んでいて、属性差別の加担者になっているだけです。私はこれを苦しく思います。