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いものすけが考えたこと

ボーダーレス・ジャパンの社会起業家サポートプログラムに応募したときに、人事の方と何度かメールをやり取りして僕の考えを説明させていただいた。

今回は、やはり僕の思考の記録として、そのメールからの抜粋をここに遺しておこうと思う。暇でしょうがないときにでも目を通していただき、変な奴だなと思っていただければ本望でござる。

社会起業家エントリーシートの質問に対する僕の回答

【1-1】あなたが解決したい社会問題は何ですか? 

新自由主義経済の暴走によって引き起こされている格差と環境破壊です。

【1-2】あなたは具体的に「誰の」「どのような状況を」「どう変えたい」ですか?

「誰の」・・・地球と世界中の人々の(どう考えても対象が広すぎワロス!)

「どのような状況を」・・・貧困や暴力、差別に苦しみ、地球環境を破壊し続けている状況を(またまた大上段に振りかぶっておりますな)

「どう変えたい」・・・平和で持続可能な社会で誰もが楽しく暮らせるように変えたい。(そりゃそうやろ)

【1-3】が今その状態になっている「一番の原因」は何だと考えていますか?

お金第一主義を蔓延させる新自由主義に基づく資本主義経済の過剰拡大だと考えています。

【2-1】ビジネスモデルを教えてください。*誰に、何を、どうやって提供するのか

地域の中小規模の個人経営飲食店と、消費者に、料理の宅配サービスを、アプリの組織と個人契約を結んだ配達員が自転車やバイクで配達する。(UberEatsの地域版)

【2-2】差別化ポイントを教えてください。*顧客はなぜこの商品・サービスを選ぶのか、他の選択肢との違い・優位性は?

・料理の提供者は大手チェーンではなく、個人経営の飲食店とします。
・配達員への報酬を半分は独自のポイント、もしくは地域通貨のようなもので支払うことで、このサービス利用料を抑え、個人経営のお店でも導入しやすくし、Uberでは高いと感じていた消費者でも外出せずに地域の飲食店の料理が味わえるようになります。
・また、配達員はこの貯めたポイントで提携する飲食店の配達員専用メニューを食べることが出来ます。地域のお店で買い物もできるようにもしたいです。
・できれば料理を入れる容器や包装も環境にやさしい素材を使用したいです。

【3-1】志*なぜこの事業を取り組みたいのか?本気度を教えてください。

正直なところ、事業としてはイマイチな感が否めないと思います。(イマイチなんかーい!)
私が強調したいのは、今の市場経済とは別に成立するもう一つの経済システムを誰もが公平に利用でき、目に見える形で構築していかなければならないということです。
格差を是正し、環境負荷の少ない持続可能な経済システムを作っていかなければ、コロナ禍や異常気象、災害といった問題は悪化こそすれ根本的な解決は望めないと考えます。
この事業でなくともかまいませんが、市場経済への依存から脱却するための経済システムを構築することに貢献できる事業に取り組みたいです。

【3-2】実力*なぜ自分がこの事業を経営するにふさわしいと思いますか?経験・能力・行動等

私はこれまで自給用田畑の耕作等、様々な創意工夫が求められる活動をしてきました。また、UberEats配達員としての経験もあり、その反省を経営に活かすことが出来ると思いますし物事をやり遂げる責任感や実行力はあります。
しかし、本格的な経営の経験はなく、アプリケーションソフトを扱うスキルなども持ち合わせておらず能力的には不十分かとも思います。
さらに、共感力や社交性の点からも私がトップとして経営するよりは、聡明な女性に代表を務めていただけるなら組織としてのまとまりも良くなり事業の効率も上がると考えます。
ですので、私は副社長的な位置でも構いません。もう一つの経済システムを構築し、持続可能な社会を作るための事業を考えている女性創業者がいらっしゃるなら是非とも力を尽くして協力させていただきたく願います。

新自由主義経済の暴走について

新自由主義経済の暴走とは、資本主義を支持する根拠となっていたこれまでの経済学の主流が唱えていた、資本家が儲かればトリクルダウン、タワーになったグラスの一番上の一つにお酒を注ぐとやがてはその下のグラスにもお酒が満ちていくようにお金が上から下へ流れていく現象が起こらず、結局は一部の資本家に富が集中し、中間層は減少していき、経済格差が拡大している世界経済の現状を指します。このままでは、ごく一部の富裕層以外は、いくら働いても金銭的に豊かになることはなく、格差は拡大し続けます。このことはフランスの格差研究の第一人者トマ・ピケティ氏によってその著作『21世紀の資本』で証明されています。
現在日本でも格差が拡大し「一億総中流」などと言う言葉はもはや過去のものとなっています。これは、ある特定の国で見られる現象ではなく、グローバル経済が浸透した世界中で今起きていることです。これについて説明している映画がありますので、機会がありましたら是非ご覧いただければと思います。

こうした格差の拡大によって、世界各地で貧困層は増加し、治安の悪化を招いています。また「モンサント社」などのグローバル化した超大企業の利潤追求を重視した企業活動は、多くのエネルギーを必要とし、多くのCO2を排出し地球温暖化に拍車をかけています。これらの問題は一見異なるようですが、その根本にあるのは限りない利潤の追求を善とする現在の資本主義社会です。
おっしゃる通り、貧困の在り方には国ごと、個人ごとに違いがあるので実際の対策は多様かつ柔軟なものである必要があるでしょう。しかし、いずれにせよ資本主義にブレーキをかけ、市場経済への依存から脱却し、もっと女性的な、ローカルな規模で機能する経済システムを作っていかないと、コロナ禍も環境問題も解決できず、持続可能な社会を構築することは出来ないと考えます。その場合、我々人類に未来はないのです。それゆえに対象(事業の対象)を「世界中の人々」としました。

③(上記の問題に対する解決法は、本当に僕が提案したビジネスモデルになるのか、という問い)についてですが、その社会ごとに問題は異なる様相を呈しているので、それに合わせて微調整は必要でしょう。しかし、グローバル化が進行した現代においては、世界の離れた地域で共通の課題を抱えている、といった状況が起きています。そのため、ある一地域の課題解決に有効な方法が、世界の裏側の別の地域の課題解決に役立つこと可能性が少なからずあります。かつては「Think Globally, Act Locally.]と言われましたが、もはや[Think Locally, Act Globally]の時代に入ったと言われています。ましてやUberのような世界中で展開されているサービスによっておきる問題にたいする一地域のソリューションは、他の地域でも役立つものになるのではないでしょうか。

はっきり言って、この課題に対する解決策が、私が書いたものになるのかどうか私自身も分かりません。ただ、ポイントは、報酬をすべて市場経済で通用する通貨で支払うのではなく、半分をそのサービスが行われている地域でのみ通用する地域通貨のようなもので支払う、という点です。資本主義経済を抑制するもう一つの経済システムをさりげなく自然な形で現在あるシステムに組み込んでいくことを狙っています。しかし、これがベストな解決なのかは、経済学の専門でもない私にはわかりません。ですので、社会ビジネス経験の豊富な、ボーダーレスジャパンの皆様のご意見を頂戴したい、と言うのが正直なところです。コロナ禍が制御不能になりつつありこれまでの経済が機能しなくなりつつある今、かなりの危機感をもって発想を転換しもう一つの経済を創る試行錯誤を私たちは始めなくてはならないのではないでしょうか。明確な解決策は私にも分かりません。ただぼんやりとこんな感じなのではないかというイメージがあるだけです。やってみなくてはわからないです。実験を繰り返すしかないのかもしれません。

④(共同経営者もしくは事業の代表として女性を求めている点)についてですが、残念ながら社長となるような女性とは知り合えておりません。しかし、新しい時代は女性的な発想がカギとなって開かれてゆくように思えるのです。私の男性的な視点での発想では明らかに不十分で、女性の視点が欲しいのです。私が起業家となることはいいのですが、それでは、旧来の男性優位の社会構造をなぞることになってしまうのではないかとの危惧があります。ですので私としては実際の肩書はどうにせよ、女性主導で事業を進めたいと考えています。ポリコレ的な意味でも、これほど女性の社会進出が叫ばれる時代ですから、女性がトップに立った方が事業に対して世間の支持を得やすいのではないでしょうか。

組織形態については、社長、副社長と言ったピラミッド型である必要はなく、全員が経営者となりうる、「ワーカーズ・コレクティブ」のような形態の方がいいのかもしれないとも思います。ですので、回答としては、私は起業家としてエントリーしたいですが、同時に女性の共同経営者が欲しいです。頼りない男ですみません。

以上となります。長文となり失礼いたしました。もし出来ましたらボーダーレスのいろいろな方にもこの件についてご検討いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願い致します。
ほし いものすけ

ご支援本当にありがとうございます。頂いたサポートの半分は自分のために、もう半分は世のため人のために使わせていただきます。