T.Hoshino

2018年東京理科大学工学部建築学科卒業。2020年東京大学大学院工学系研究科建築学専…

T.Hoshino

2018年東京理科大学工学部建築学科卒業。2020年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修了。現在、建築専門雑誌の出版社に勤務。メニカン運営メンバー。

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zine「Many Kitchens Vol.1」を無料配布中

建築や都市のデザインに関わる研究者、建築家、編集者、プログラマの共同体、メニカン(メニー・カンファレンス)でzineをつくりました。外出自粛が謳われる中、家における実体験の場であり思考の場でもあるキッチンを再興しようという試みです。現在300部ほど貰っていただけています。 PDFで読めますが、ぜひ印刷していただけると嬉しいです。コンビニでも印刷できるようなデータサイズに抑え、簡単に製本できるように中綴じにしています。 ご登録は上記TwitterのGoogleフォームからお

    • 無機的な暮らし(朝食)

      • 「手で食べる建築」の覚書

         ときどき、古い雑誌の新刊紹介を見て本を探すことがある。石井美樹子の『中世の食卓から』もそのようにして見つけた本である。清澄白河にある古本屋「smokebooks」で購入した1991年12月号の『美術手帖』に掲載されていたものだ。  本書は中世・エリザベス朝文学を専門にする著者が、絵画や文学に描かれた料理の話を素材にして中世ヨーロッパの食文化について説き起こしたユニークなエッセイ集である。「常にベストセラーの玉座を占めてきたのは聖書だと言われているが、それに匹敵するのはおそ

        • なんとなく消費すること

           田中康夫の『なんとなく、クリスタル』は、1980年に雑誌「文藝」に、第17回文藝賞受賞作品として発表され、単行本として発売されてからはミリオンセラーとなった。モデルの仕事をしながら大学に通う主人公の由利や彼女を取り巻く若者たちの生活は、夥しい数のファッションブランド、レストラン、ミュージシャンに囲まれている。本文に登場する固有名詞には注釈が付けられておりその数は442にも上るが、これらの効果もあって『なんとなく、クリスタル』からは当時の東京における若者の生活がリアルに感じら

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          紙と魔法に思うこと

          私が共同運営をしている建築研究会メニーカンファレンスのnoteで一本のエッセイを発表しました。長野県松本市の古本屋で見つけた一冊の本を通して、ファッションや建築におけるデザインについて思うことを綴っています。ご笑覧ください。

          紙と魔法に思うこと

          現実を物語にしないことについて

           2020年4月2日の朝日新聞朝刊に掲載された、東京大学大学院情報学環教授・吉見俊哉さんの「「輝かしい時代」五輪はもう招かない」を読んだ。吉見さんの著書を僕はそんなに読んだことがないけれど、たしか修士一年の秋頃に『カルチュラル・スタディーズ』を読みながら、建築文化の裏にある社会について語る研究の方法論を模索しつつ、しかし建築学専攻の学生としていかに建築物、つまりモノ自体を語れるのか悩んだ記憶がある。それはさておき、今回の記事では、開幕延期が決定した東京五輪2020をめぐるトラ

          現実を物語にしないことについて