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ヘラルボニー × Tea Room × 朝日焼

告知が遅くなってしまいましたが
とても素敵で、学びの多い、また社会的な意義も大きいと思えるプロジェクトに関わらせて頂きました。
ヘラルボニー所属のアーティストさん達と朝日焼にて、Tea Roomが開催するICCサミット KYOTO 2024での茶会の為に作品を制作しました。
その作品はぜひこちらのサイトで販売していますのでご覧ください!

https://store.heralbony.jp/collections/teautensils

告知が遅くなってしまったのは、ロンドンの展覧会などでバタバタしていたこともあるのですが、このプロジェクトはしっかりと想いを伝える形でお知らせしたい、という想いが強く、なかなかその想いを文章に出来なかったからです。
少し長くなりますがご紹介させてください。
「異彩を、放て。」をミッションに掲げ、国内外の主に知的障害のある作家の描くアートデータのライセンスを管理し、さまざまなビジネスへ展開しているヘラルボニー。
「対立のない優しい世界を目指して」を企業理念に、お茶で、日本文化の価値を世界へ証明するチャレンジをしているTea Room。
この若くて社会に対して明確な課題意識を持って取り組まれている企業を引っ張る松田崇弥さんと、岩本凉さん、共に以前から存じ上げていて私の作品を持っていただいているご縁もあり、プロジェクトのお話があった時に、これは絶対にやりたいと思いました。
松田崇弥さんとは、以前にICC サミット KYOTOにて隣の席になった時にお話しさせて頂き、その時に初めてヘラルボニーの活動を知ったのですが、それ以来、従来の福祉という形での障害を持たれている方への支援とは違った角度と意義で企業として異彩アーティストの作品の様々なコラボレーションを行いながら、凄い勢いで発展されていく様を拝見し、世界に新しい文化を根付かせる。そんな可能性を感じさせて頂いておりました。
今回、Tea Roomさんが茶会のテーマを「和漢の境をまぎらかす」というわび茶の祖・村田珠光の言葉を掲げて、様々な人が隔たりなく集う社会の姿を、茶会の中で障害のある方が自由に表現した茶道具を用いることで表現したいということで、茶道具を作る朝日焼がヘラルボニー所属のアーティストと一緒に作品を作ることに私自身、とても有意義な意味を感じました。
そして、実際にヘラルボニーと契約しているアーティストさんを訪ねて、京都伏見のアトリエやっほぅ!!さんを訪問して、作品作りをさせて頂いたのですが、その体験はとても学びの多いモノでした。
我々は一人一人、違いがあり、また、共有するものを持ちます。
アトリエやっほぅ!!にいる異彩アーティストの方々もまた、一人一人全く違う個性を持たれています。初めて訪問した時は、皆さんが普段どんなふうに制作されているかと拝見し、お話をして、その後、私は茶盌の素地を作って素焼したものを持参して、皆さんにそれぞれ描いてもらいました。
描かれた素地を朝日焼に持って帰り、釉薬を掛け、窯で焼成するわけですが、持って帰った後、それぞれの作品にどのように釉薬を掛け、どのように焼くべきかとても悩みました。
そして、出来上がったものを見た際に、“我々は何を良いモノと考えるのだろうか“という、作り手として、とても根本的なことを問われる作品が出来上がったと感じました。技巧的に優れたものが、デザイン的に優れたものが、必ずしも良いモノとは限らない。
そして、万人に共通する良いモノが存在するという幻想から離れた時、私は何を良いモノと感じるのだろうか。という問いが目の前に現れます。
それぞれの絵は、間違いなく力があります。
それは、きっと絵を描く喜びに満ちて描かれたものだからだと思います。
とても純粋なその感情を、アトリエにてひしひしと感じました。
我々作り手はその純粋な創作の喜びを確かに知っています。
だからこそ、モノが作れる。
しかしながら同時に、様々な葛藤を抱えます。
「自分が良いと思うモノを作る。」
その大事なことも固執すると独りよがりの醜いモノが出来ます。
一方で、「人の心を動かすモノを作りたい。」そんな願いは、時に他人の目を意識することになり、賞賛や名声への欲求となり、プレッシャーを生み、純粋な作る喜びから作者を遠ざけます。
異彩アーティストの人達も、きっと褒められたら嬉しいと思っていると感じます。
しかしながら、私が目にした制作の現場には、作る喜びに満ちていました。
それぞれ違うアーティストの方がが、皆、その作る喜びを感じながら
ただひたすら目の前の絵に向き合う。
私にどうして、ここから生まれるものを否定できようか。
そんな想いで、全ての作品を焼き上げました。
朝日焼の基準では、焼き上がりの良いモノも悪いモノもあります。
普段は、私は自分の基準で自分が良いと思うものを作って皆さんに届けています。
このプロジェクトでは、私にはどの作品も素晴らしいと感じてしまいました。
もちろん、好きな作品というのはあります。
ぜひ、皆さんも「何が自分にとって良いと感じるモノか」そんな問いを考えさせてくれる作品を、ぜひお楽しみください。
プロジェクトのリリースはこちら
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000038444.html?fbclid=IwY2xjawFpELtleHRuA2FlbQIxMAABHVVfXOFYlOKSb1-62tCA-80Wv-LVLljlAHl9YPfgcgaoOtcPsnM1M7G3CA_aem_qVtuhPKTkKyp0iZ3wF4keg

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