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2023年の大宮アルディージャを振り返る(選手編MF・FW+監督)

GK・DF編より続き。

中盤から前についてはより合格点をあげられる選手は少なく、恐らく東洋大コンビぐらいではないか?書き続けるだけでストレスが溜まりそうだが、出場記録の管理も含め備忘録程度に振り返る。


MF(12名)


6大橋尚志 9試合(先発4・343分) 0ゴール0アシスト
今季最大のハイライトはH山形戦終了後の記念撮影でイジられる姿。守備を重んじる相馬さん、軽視する原崎さんどちらも嵌まらず。金沢で仕えた柳下さんが果たしてどんな使い方をしていたのか。愛されキャラであることはよくわかったが、チームに欠けていた中盤の守備面を長所としながらも、足元等の弱点ばかりが目立ってしまい、戦力となりきらなかった。


7小島幹敏 38試合(先発36・3,200分) 0ゴール☆4アシスト
できることできないことの振れ幅が大きく、本来は小島の有無で攻撃の組み立てが全く違ってしまうほどの選手だったが、残念ながら今季は悪い面で、球際であと一歩の諦めからピンチを迎えることや、相変わらずのシュートへの積極性の無さが目立った。ユース同期の仁騎の加入によりチームの中での立ち位置についても考えさせられたようだが、結果には反映されず。今一つだったFW起用はクラブ編成の被害者。J3でやるような能力ではなく、またこのまま大宮に居て成長できるのかという疑問も感じる。


8栗本広輝 22試合(先発14・1,092分) 0ゴール0アシスト
本年度も栗本広報としても活躍。ファン感謝イベントの締めの挨拶もサッカー選手というより社会人のコメントを頂き、会社組織でも活躍していたと思われる片鱗を見せた。プレー面ではボランチの軸となる小島のパートナーを争う形となったが、昨年ほどの効いてる感は出せず、チーム状況からも大胆なフリーランニングも鳴りを潜め無念の契約満了。清水エスパルスSS藤枝出身であり、最後の出場が日本平だったのは何かの縁か。


11黒川淳史 12試合(先発8・597分) 0ゴール1アシスト
ほぼ死んでいるに等しいチーム状況では来るもの拒まずなのだが、過去の退団に至るまでの経緯があって何とも受け入れられない移籍加入。クラブも本人もどんな流れで契約成立したのか。戦力としては本来二桁得点が計算できる選手ではあるが、1年半試合に出ておらず、また独力で打開できる選手でもなく、純粋なSHやFWでもないという扱いづらさから即効性が無く出場機会を減らした。保有元の町田残留は恐らく無く、チームの低迷の責任を取って残留してほしいと思う。


14三幸秀稔 7試合(先発0・79分) 0ゴール0アシスト
今季は昨年よりもゴシップ系報道は少なかったように思えるが、本職での活躍の場は更に減少。公式オークションでの落札価格の高さばかりが気になった。昨年オフは恐らく放出を模索したと思われるが叶わず、想定通り余剰戦力として1年を過ごした。貴重な出場機会にもよく声は出すがひたすらパスをもらっては出すの繰り返しで、オフザボールや守備の関与は皆無。使いこなせず置き去りにした霜田さんには責任を取って松本で引き取ってほしい。


15大山啓輔 20試合(先発4・632分) 0ゴール0アシスト
セットプレーという強み以外がどんどんぼやけて、例年のようなチームの欠けたピースを埋める役割もできず、選手としてのウリが見えてこなかった。終盤は全く試合に絡めず、残念だが妥当な契約満了。一連の報道でのコメントは多少発言の切り取り方もあっただろうが、クラブでの貢献の限界を感じた。もし出場機会が減ったタイミングでレンタル修行できていたら…と悔やまれる。またクラブから乞われるような成長を見せてほしい。


16石川俊輝 22試合(先発18・1,421分) 0ゴール1アシスト
クラブが恥を忍んで出した復帰オファーに応えた、まさに大宮の男。何故か大宮に在籍すると長期離脱する。離脱期間中はクラブの最低迷期と重なり、ハードワーカーの不在がどれだけチームに影響を与えたか。チーム全体のボールへの対応が遅すぎて俊輝の出足の速さが抜きんでていた。終盤戦では真っ先に途中交代させられる謎采配のせいで、不在時の中盤が緩々で簡単にシュートまで持っていかれた。甘いマスクも最近見るたびに老けたなぁと感じ、気苦労の多さが窺える。


31阿部来誠 0試合
FP唯一の出場ゼロに終わった。ユース最終年は怪我でほぼ棒に振り、僅かな出場時間で驚異的なゴールへの関与率を記録した。プロ入り後はというと、練習公開も少なかったのでどんな選手かもわからず1年終了。恐らくSHで併用というわけにもいかない大宮ユース生らしいパスマシーンタイプだと思うので、今後何かしらの付加価値がないと使いづらい。


32高柳郁弥 36試合(先発33・2,842分) 1ゴール☆4アシスト
今季のMVPをしいてあげるなら彼かもしれない。同期の吉永の評価を一気に逆転し、チーム事情に応じてボランチとSHで活躍。運動量も申し分なく守備意識も高く、貴重なセットプレーのキッカーとしてチームトップタイの4アシスト。次第にドリブル突破も頑張るようになってきた。とにかくシュートが枠に飛ばないことと、ゴール前のFKの精度の低さが課題。恐らく他のクラブから目をつけられているだろうが、甘いマスクも含め、今後チームの顔となってほしい逸材。やはり昇格させるより大学に行かせたほうが伸びるのか?


39泉澤仁 38試合(先発5・1,145分) 3ゴール2アシスト
ほぼジョーカー専門になってしまい、出してみないと出来がわからないギャンブル要素の高さ。先発ではほぼ見せ場がなく、相手が疲れてきた後半かつ調子のいい時はチャンスを作り続け、少ない出場時間で5得点に絡んだ。マークを引きつけて味方を利用したり、ゼロヒャクからのクロスは流石だったが、抜いてからのシュートは対策されているからか減った気が。常に守備しない問題が立ちはだかるが、前所属の甲府や、全盛期の2015-16シーズンも使われていたことを考えると、チームとして解決方法を見つけなければならないよう感じる。


柴山昌也(→セレッソ大阪) 27試合(先発23・1,783分) 4ゴール1アシスト
2年目はオフシーズンの肉体改造で明らかに身体が強くなり一気に成績を伸ばした。今季もオフシーズンのトレーニングに力を入れる発現を見た気がするが、特に変化は見られず。マークが厳しくなったのもそうだが中々得点に絡めず。低迷期も孤軍奮闘するが空回り、しかし夏場から急にスイッチが入りクラブと共に上昇の予感を漂わせたところで個人昇格。キッカーとサイドの槍を失い補強しなかったことも降格の主要因。来季レンタル個人降格とならないよう頑張って。


奥抜侃志(→1FC.ニュルンベルク)
ポーランドで個人成績はぼちぼちという感じだったが、想定以上に評価が高く2部とはいえ移籍金を残してドイツへの完全移籍を実現。初海外で目をかけてくれた日本大好きポルディやクラブ選びを当てたおかげで、山程いるアタッカーを押しのけて日本代表まで上り詰める大出世、遠い人となってしまった。ドリブルと意外な裏抜けが強みだったが、状況判断力も格段に上がり、高い位置で奪って連携からゴール前まで走り込み決め切ってしまう姿に成長を感じた。プロデビューさせた石井監督の眼の前でA代表デビューというドラマが楽しみ。

FW(11名)


9中野誠也 28試合(先発16・1,421分) 3ゴール1アシスト
今季も離脱期間が大きく足を引っ張った。FW大離脱期に乗っかり、大事な時期に活躍できず。開幕後もストライカーとしての部分で批判も多かったが、復帰後も今ひとつで決定機を当たり前に外し続け、A藤枝戦の大逆転以外の活躍はほぼ無かった。富山とのユニットでの出場も多かったが、今季はうまく噛み合わずどちらか片方は必ず埋没していた印象。調子の波の安定が望まれる。


10ヤクブ・シュヴィルツォク 10試合(先発7・610分) 3ゴール0アシスト
河田の穴埋めなしに低迷を招いた反省にストライカー不在を補うため獲得したと思われる。レヴァンドフスキの控えだった選手がJ2最下位にやってくる衝撃。コンディション面はまだ物足りず。それでも実力の片鱗は見せたが、そのメリット以上に守備をしないこと、ストライカーとして強すぎるエゴが起用法を難しくした。負傷離脱によりフィットするはずだった最終盤に出場できず。柴山なき後に違う形ではあるが個で解決できる選手だっただけに、攻め手に乏しい中でもし居れば…と思うことは多かった。日本人選手では難しい、どんな体勢からでも打てる強烈なシュートは規格外だった。


13山﨑倫 9試合(先発4・353分) 1ゴール0アシスト
怪我がちな選手とはいえ、実働は1か月半。個人的には昨年の相馬体制でのパフォーマンスで期待していた面や、13番というクラブからの期待もあったため、低迷の戦犯のひとりと敢えて言いたい。プロ初ゴールのヘディングのような、ドリブルだけでなくゴールに直結する動きを選択できるクレバーな選手という印象があり、今季は垢抜けたなーという印象しかない。来季フル稼働できるようオフ期間をどう活かすか。


19アンジェロッティ 34試合(先発27・2,251分) ☆5ゴール3アシスト
適性ポジションが不明な選手だったのでロマン枠な選手だったが、序盤の大活躍にはタイプは違うがジュニオールサントスの再来を夢見たが、負傷離脱後は期待以下。J1でも通用する超絶テクか、ピッチ上に存在しないかというとんでもない好不調の波には驚かされたが、決めたゴールはどれも印象的なゴール。守備ががさつで、やる気がある時はよく走るがひたすら気持ち守備。ない時は何もしない。長身だが空中戦は競らず競れず、身体ではなく足元でボールをキープする独特なスタイルを柏が必要とする雰囲気はない。来季はどうなる。彼女?がいると本当に頑張っていた。


23矢島輝一 6試合(先発1・117分) 0ゴール0アシスト
負傷中の選手を切るという選択は昨年オフは難しかったかもしれないが、気持ちの見える選手ということ以外は爪痕を残せず、貴重な出場機会も試合に全く入れず、2021A相模原戦のどん底でのゴールで記憶は止まってしまった。1年間戦える身体がなければ、今後も厳しいか。


28富山貴光 31試合(先発14・1,396分) ☆5ゴール3アシスト
キャプテンとして低迷するチームの矢面に立ったが、ピッチ上ではキャリアハイの得点ペースからの大失速。低迷期に原因不明のメンバー外が続き、復帰後も先発機会は遠のいた。ピッチに立ってこそのキャプテンである。ゴールへの推進力だけでなく身体も張れるし周囲のサポートもできる、プレースタイル的にまだまだやれる選手。力を貸してほしい、と声を絞り出す彼の惨めな挨拶はもう見たくない。


33室井彗佑 32試合(先発14・1,397分) 4ゴール1アシスト
関東大学リーグ得点王の肩書を引っ提げて加入。過去のタイトルホルダーはあまりプロで活躍できず、また先輩の誠也や富山も大学サッカーのスター選手だったがプロ入り後は苦戦。開幕直後は裏への飛び出しは脅威だが簡単に相手守備陣に倒され結果を出せなかったが、負傷からの復帰後は相手の寄せにも我慢が利くようになり、良い所でファイルを貰うチャンスメイクが増え、長所を活かしたゴールやあまり見られなかったドリブルでの強引な突破も増加。1年間での成長度合いではチームトップだった。


42藤井一志 0試合
関西大学リーグ得点王の肩書を引っ提げて内定、特別指定選手となった。過去のタイトルホルダーは以下略。試合に絡めなかったので来季に期待。大宮名物の故障歴のある選手で、実力はあるが縁もゆかりも無い大宮が獲得できたのはそのあたりが理由の可能性が。


49大澤朋也 7試合(先発2・257分) 1ゴール0アシスト
スタメンの2試合はなんと開幕戦と最終戦。序盤はバットマンスタイルでお馴染みだったが、2度の負傷離脱もあり、実働は1か月半程度。恐らくレンタル先がなく復帰となった経緯を考えるとプラス評価だが、ハードワークはできるが中々生粋のストライカーらしいシーンは作れず。このままだと重宝されるが器用貧乏でキャリアが輝かない佐相パターンになりそうなので、たとえSHとの併用になったとしても得点力を強みにする姿勢は失わないでほしい。


髙田颯也(徳島ヴォルティス・期限付き移籍) 9試合(先発0・128分) 0ゴール0アシスト
シルエットもドリブルもポスト三笘であるが、格上のクラブにレンタル。守備の懸念と適性ポジションの難しさにどう折り合いをつけるか不安はあったが、やはり出場機会は限られてしまった。テープが擦り切れるほど三笘のプレー映像を研究し、来たるJ3で大暴れしてほしい。


河田篤秀(→サガン鳥栖) 4試合(先発0・40分) 0ゴール0アシスト
昨年から明らかに相馬体制では限界があり、放出は既定路線だったが開幕直後の一番穴埋めが難しい時期だったのが大誤算。移籍後も得点こそあったが大宮移籍直後のようなダイナミックなストライカーのゴールは鳴りを潜め、J1では厳しいというのが正直な感想。出場機会を得られるクラブで活躍してほしい。

監督(2名)


相馬直樹 16試合4勝1分11敗
監督としての能力に疑いはないが、大型連敗を喫し悪い流れを止められなかったのは事実。クラブ内の政治的な部分や選手コーチングスタッフのバックアップ等事情はあるにせよ、志向するサッカーを植え付けるマネジメント能力、逆境を打開する策の不足により、降格の大きな要因となった。手薄な戦力ではあったが、弱いチームは限られた戦力を最大化しなければならず、構想外の選手を増やしている場合ではなかった。末期に勝てなかった結果、原崎さんより監督しての勝率が低くなる結果に。


原崎政人 26試合7勝5分14敗
第一次ヘッドコーチ時代の実績が無さすぎたため、仙台で年またぎで監督を続けられたという事実だけで成長を予感してしまったが、蓋を開ければHCでは何も手を打てず結果的にチーム分解に関与。自らが監督に就任したが選手と一緒に選択したボール保持サッカーで失点を増やし、のちに5バックや原点回帰の4バックで自らの哲学を捨て少し盛り返すが、5バック下での1ボランチなど無駄な策も多く、不名誉な降格監督となった。相馬体制と違い補強も一応あり怪我人も帰ってきたが、結果を出せなかったのは擁護できない。


以上が所属・登録選手および監督の短評となる。ぼちぼちのパフォーマンスとなったGK陣は山岸コーチ、そしてにっちもさっちもいかない緊急事態で渋谷さんがヘッドコーチとして復帰し原崎体制を支えた。しかしながら残ったのは降格という事実のみ。現場は現場のできることを愚直に行い、史上最低イレブンの汚名を払拭してもらいたい。気が向いたらクラブ全体も総括したい。

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