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深い河 ディープ・リバー

「深い河」とはなんだろう。なぜわざわざディープ・リバーと添え書きされているのだろう。
いろんな宗教や宗教的なものが空気のように軽く薄く入り混じっている日本で、敬虔なクリスチャンの家に生まれるというのは結構しんどいものではあるかもなあ。
私の実家は真言宗。祖母は晩年からクリスチャンだったが、早世した夫と同じお墓に入っている。母の実家は神道。夫の実家は浄土宗。どれも排除せず、共存している。

玉ねぎとはどういうたとえか。人参とはどこが違うのか。

深い河とは、直接的にはガンジス河だが、すべての生き物がやがてたどり着く場所、死という場所だろうか。そこでは誰もが(野良犬も牛も人間も)受け入れられ、流れていく。どんな惨めな一生を送った人であっても最後に温かく迎えてもらえる場所。
だから人は這ってでもそこに行き、次に生まれてくるときは少しでもよい人生を送れることを祈る。

惨めで貧しく醜く恥ずかしい、思いをした人が行くところ?いや、高慢で、恵まれていて不遜で満ち足りた人でも、いやだからこそ、深い河を求めるのかも・・。

すべての宗教は同じことを言っている。そのとおりだと思う。
いろんな土地にいろんな言語や文化や歴史があるように、いろんな宗教があるだけ。流れていく先は、ひとつの深い河。

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