書き言葉として素晴らしい~岩波新書「高橋源一郎の飛ぶ教室ーはじまりのことば」
かつて私が作業をしながら愛聴していたのが、NHKラジオ第一放送で月から金までの午前中に放送されていた「すっぴん」という番組だった。
アンカーのアナウンサー以外に、日替わりのパーソナリティーがいて、私は木曜の川島 明が大好きだった。
翌日の金曜が高橋 源一郎だったのだが、一度もこの人のトークを「面白い」と思ったことはなかった。
むしろ金曜の高橋氏の日になるとガックリというのが正直な気持ちだった。
「すっぴん」が放送終了して久しいが、時折SNSの中で高橋氏のエピソードを目にするようになり、同氏に少し興味を持つようになった。
そしてある時、時間つぶしに書店をブラっとしていた時に、平積みしてある「高橋源一郎の飛ぶ教室ーはじまりのことば」が目についた。
私は1ページ目を読んで面白ければ、まったく知らない本でも買うし、1ページ目がつまらなかったら、たとえ有名な本でも買わない。
同書は、ラジオの冒頭のことばだけを集めたものであるが、とても面白かったので、即買って帰った。
まだ4分の1ぐらいしか読んでいないが、すでに満足感が高いと感じる程、面白い。
さすが作家だ。
ラジオの「話し言葉」は私にとってまったく面白くないが、「書き言葉」は、最高に面白い。
きっと、直に会って話すことがあるとすれば、非常に話が合って意気投合するか、まったくそりが合わないかのどちらかだろうと思う。
↓ 引用したエッセーなどは、非常にうっとりとするほど優れた、いいエッセィだと思う。
特に最後の「蜘蛛が紡いだ・・・」から始まる文章は、短い文章ではあるが、胸を打つ名文である。
私も私の描いた絵が、そんなものになれれば、それに優る幸せはないだろう。
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