私はゴルフは嫌いだ
しかし、ゴルファーやゴルフ業界の人は別に嫌いではない。
「ゴルフ」というものが嫌いなのだ。大反対と言ってもいい。
第一の理由は、何と言っても「自然界への負担が、その楽しみの割に莫大すぎる」。
かつて小さな我が町にも、2つものゴルフ場が存在した。
そんな平地なんて無いのに、無理やり山裾の木々を剥ぎ取り、岩盤を削って。
うちの父親も、下手くそなりに、「接待」と称してゴルフをやっていた時代があったので、ここで何度かプレーしたことがあったかもしれない。
結果。
2つとも潰れ、今は大して金にならない売電(ソーラー発電)をやっている。
もちろん損なわれた豊かな自然は帰っては来ない。
私の大学時代の友人は、昔からゴルフ場に反対して、田島征三さんの絵本を送ってきたりしていたが、処分場のような施設は、自然を削ってそこに存在するだけではなく、その周辺、下流の土壌を汚染し続ける。
特にゴルフ場は、広大な面積の芝生を保つために、莫大な除草剤を散布する。除草剤と言っても、中身はベトナム戦争で使われた枯葉剤と同じもの。
当然、地下水などに染みて広大な範囲の土壌、河川、そして海洋を汚染する。
二ホンミツバチが絶滅に追いやられているのも、この除草剤が原因だと言われている。
汚染は小さな生物から巡り巡って、必ず人間にも害を与えるのだ。
私が飼っていた対州馬の放牧地は、このゴルフ場からほど近い場所にある。
山裾が「漏斗」のようになって、豊かな清流をつくり、私が子どもの頃には、野生の大きな鯉が泳いでいた。その他の魚や虫たちが棲息する豊かな自然があった。
しかし、近くにゴルフ場ができ、全ては一変してしまった。
ここに書いたことはこれでもまだ、「控え目」な表現だ。
ゴルフという娯楽が、これだけの「自然破壊」、あるいは「未来への遺恨」を遺してまでも、優先できるものだと言えるのだろうか?
答えは明らかである。
かつて自分も、教師時代に少しゴルフにはまったことがある。
職場にゴルフをやる連中が何人かいて、楽しそうに話しているのを耳にして、自分も加わりたかったという気持ちもあったと思う。
しかし、やはり前述の友人の観点の方が、断然正しかったのだと、今更ながら思う。
ゴルフは、パット・ゴルフくらいでよい。
最後に、前述の田島征三さんの絵本「たすけて」という処分場建設に関する絵本に寄せられた感想を転載しておきます。実にその通りと思うので。
『
のりものでさ~っと移動していては わからないかもしれないが
森は小さな命の集合体だと思う。
昔 私が成人するまでは確かまだ田んぼの農道は舗装されておらず
ガタガタ道だった。
それがふと気づけば 山奥の山村の田んぼ道まで舗装してあるこの頃。
遠くからは山奥に見えても、山に行けばどこまでも舗装され、車社会で利用しやすいように開拓されているのだ。
今、平野部に近いそこらへんの山も どこを見ても山を削り取って取り去っている。
昔からある山を 私達の世代で消滅させてしまう行為。私は痛々しくて見ていられない。
孫子の時代にずっと自然を残さなければいけないと思うのに、早い者がちとばかりに わがままに自然を破壊する。
そんな大それた ばちあたりな人間の行動に、いったいどれだけの命が抹殺されているのか。
人間こそ地球の害虫だと思えてくる。
投稿日:2008/02/17 40代 ママ 愛知県 男の子6歳 』
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