映画「アラバマ物語」(原題:To Kill a Mockingbird)のアティカス・フィンチ弁護士は、アメリカでインディ・ジョーンズやジェームズ・ボンドを越えるヒーローであった
標題が示す内容は、wikipediaの中で述べられている通りであるが、弁護士アティカス・フィンチがインディ・ジョーンズやジェームズ・ボンドと違うのは、モデルとなったのは、原作者ハーパー・リーの父親という実在の人物であるという点だ。
もちろん彼は、インディ・ジョーンズのように派手なアクションを繰り広げるわけでは無い。
むしろアクション的なシーンは皆無である。
ではなぜ、アティカス・フィンチのことを、多くのアメリカ市民が「ヒーロー」と称したのか?
次のようなことではないかと感じた。
*アティカスは、人種差別に立ち向かって職務を貫いただけではなく、自分の子ども、ジェムとスカウトはもちろん、他の子どもに対しても、けっして「子ども扱い」することはなかった。
裁判に反発し、暴徒化した一団に取り囲まれた時、たまらず駆け寄ってきたジェムとスカウトを叱ったりせず、側においた。
父のことを心配して、クライアントの自宅に向かうアティカスに同行すると言うジェムの姿勢も尊重する姿勢が見られた。
スカウトの喧嘩相手が家に来た時も、無礼な態度を咎めることなく、お客さんなのだからと尊重した。
*被害者の父親が、挑発してきた時も、堂々と対峙したが、暴力や言葉による威嚇に屈することなく、非暴力で、正義を貫く姿勢を崩さなかった。
*子供に対して、放任でも過干渉でも無いが、子どもに対する関心を持ち続け、必要とされる時には、1対1で、じっくりと話をする姿勢があった。
人種差別がひどかった南部において、職責とは言え、周囲から孤立することも恐れず、誰に対しても尊重する態度を持って接した、このアティカス・フィンチこそ、現代に照らしても尚、「真のヒーロー」と呼ばれることに、何の異論もない。
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