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中学生に美術教育は必要なのか? 番外編 「年賀状」というバリュー

画像は、今年2023年に届いた年賀状(1通はイングランドより封書の中にて配送)です。
私は長い間、教師時代の元仲間から、元日に裏も表もプリントのみで、一言の手書きも無い(非常に侮辱的な)年賀状を受け取ってきていたのですが、そういう相手に対しては「年賀状を卒業します。ちなみに何か一言でも書き添えた方が〇〇先生の良さが伝わると思いますよ!」と書き送り、年賀状の停止を伝えてきました。

また、「ただの顔つなぎや、自分の自慢めいたもの、無神経なことを書いてくる」ような相手にも、同じく卒業の意を伝えてきました。
今では、自分の制作作品を載せてきてくれる数人と、血が通うやり取りができる数人だけの相手とだけ、年賀状を交わしています。

左は、イングランド人の友人からのもので、彼とはもう30年近く前の佐世保での教師時代に、県が開いた教育セミナーにおいて出会いました。
それ以来、彼は国内外のいろんな場所へ移り住んでも、必ず手書きで近況を添えた文章(英語ですが)を書いて送ってくれます。
そして、それは今でも続いています。

右は、今年初めて頂いた方からのものですが、私が対州馬ひん太のクラウド・ファンディングに協力してくれた方数人に出した年賀状へのお返しでした。この方だけが唯一、ひん太の宛名でリプライして贈って下さいました。

どちらも非常にうれしくて、私の気持ちを高めさせてくれたことは、言うまでもありません。


贈ってくれた友人と、佐世保時代にヨットの上で写したもの。


「本当に、中学生に美術教育は必要なのだろうか?」という思いが、私の中で払拭できないままでいた教師時代の私は、管理職からの圧力をものともせず、授業の中で様々な題材へのトライを試みていました。

その中のひとつが「はがき道」というものでした。
詳しくは ↓

「年賀状」を美術のひとつとして、やり取りしている人はおそらくいないでしょうが、私は「年賀状」は、とても大事な美術のエッセンスが凝縮したものだと思っています。

それは「単に絵が上手い」とかいうことではなく、「どんな葉書を選ぶか」から始まり、「どのような言葉を、どのような文字で書き、どこにどのように配置するか」「イラストや写真はどのようなものを選び、どのような大きさで配置するか」など。
そして画像のように、宛名ひとつにも、大きな意味があることだと思うのです。

もはや「年賀状」とは、あなたの「人柄」というバリューを表す140mm×100mmの小宇宙なのだろうと思うのです。


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