私が対州馬を絶滅から救いたいと思う理由 その㊵
サシバエ・アブとの闘い その壱
放牧地で対州馬ひん太を飼養するにあたって、本当に悩まされたことは、自分勝手な人間を除くと、サシバエという吸血性のハエと、やはり動物の血を吸うアブの存在でした。
馬や牛を飼養する人であれば、間違いなく100%がその厄介な存在に悩まされていると思います。
もしかすると、飼っている馬に興味が無い人にとってはそんな虫のことは、どうでもいいことなのかもしれませんが、間違いなくそんな人間に飼養されている馬は、約半年間、一日の大半をサシバエやアブに襲われ続けています。
アブに刺されたことがある人はわかると思いますが、刺された瞬間刺すような激痛が走ります。
サシバエに刺されると、やはり痛いばかりでなく、アレルギー反応から刺された周囲がパンパンに腫れあがります。
馬たちは、それを尻尾で払いのけることしかできません。
尻尾の届かない腹の下などは、脚を蹴り上げて落とそうとしますが、それが当たることはありません。
日に何十、何百という単位で襲ってくるので、たとえ数匹を落としたところで、焼け石に水なのです。
では、自然界にいる馬は、もともとそういう苦労をしているのかと言えば、そうではありません。
野生馬たちは、草を求めて移動しますし、馬が落とす糞は、コガネムシなどがすぐに入り込んで分解したりするので、大してハエのウジは湧きません。
人が飼養することによって、掃除した汚水に餌の残りなどが腐ることによって、ウジが大量に発生する環境を作ってしまうのです。
飼養を始めた最初の年は、そのことに思い至らず、ずいぶんと苦労をしました。
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