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映画「ドリームホース」 ~ 全ての馬が「ドリームホース」である

長崎には珍しい「風雪注意報」が出る中、市内に唯一残る、単館劇場「セントラル劇場」に映画「ドリームホース」を観に行ってきました。
直前に、四国の方がやはり単館劇場で、この映画を観た時、他に誰もお客さんがおらず、貸切り状態であったとSNSで発信されていたので、天候のこともあり、自分も同じようなものだろうと予想していました。
すると、他に3人がおられ、ふと「長崎市にはまだ、馬という存在に親しみが残っているのか?」と思いました。
しかし、これは何の信憑性もありません。

感想から先に言いますと、とてもよかったです。いい映画だと思いました。
終わった後、映写室を出る時に、館主の方にそう感想を伝えると、その方も「ね、いい映画ですよね。見終わった後、元気になれますよね!」と言われました。
そういう映画です。

この映画、ウェールズを舞台にした実話に基く映画なのですが、ウェールズを舞台にした他の作品を残念ながら観たことがなく、この映画でウェールズという(国)にとても惹かれました。

内容は、大まかに言うと以下のようなものです。
ウェールズの寂れた谷あいの小さな村に住む、ひとりの女性が「みんなでアライアンス(同盟という意)を結成して競走馬を育てよう!」と呼びかけ、一頭の馬「ドリーム・アライアンス」を競走馬として育てていくことになる。最初は「頭がおかしいのか?」と嘲笑していた夫やまわりの村人も「金の為でなく、胸の高まり(ウェールズ語で言うhwyl:ホウィル)の為に!」と徐々に団結していく。その期待に応えるかのようにドリーム・アライアンスは、地方から中央競馬へと駆け上がって行く。

今回、この映画を観たいと思った一番の理由は、もちろん馬を扱った映画だということもありますが、それよりも「みんなで馬を所有すれば、無理だと思ってあきらめていたことも、実現できる」という考え方で、これは私が対州馬を保存したいとする上で、同じようなコンセプトを考えていたからに他なりません。

その部分に関しては、あまり詳しくは描かれてはいませんでしたが、それでも大変にインスパイアされるものではありました。

少し物足りないと感じたところは、馬をやはり馬として扱っているというか、主人公の夫ブライアンを始め、馬に対しリスペクトするべき存在として接し、世話や練習をすることがドリーム・アライアンスという馬を生んだのだ、という部分です。

一瞬でしたが、確か夫ブライアンが、厩舎の中でドリーム・アライアンスに、「いい馬だ」と声をかけて撫でるシーンがありましたが、そのシーンと最後の方にで、競馬場である歌手がウェールズの国家を斉唱し、場内に「いた観衆も大合唱するシーンが、私は一番泣けました。

大きな宣伝力で大ヒットするような映画ではありませんが、志を持つ人々の口コミによって、長く語り継がれるような映画になるのだと思います。




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江島 達也/対州屋
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