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1つの悪い言葉は、100の良い言葉を消してしまう

昨日、岐阜県中津川出身のフォークシンガー、笠木透 さんが10年も前に亡くなっていたことを知った。直腸癌だそうだ。
深くお悔やみ申し上げる。

私自身、大学4年の時に、笠木さん率いるFolksのコンサートを大学内で行うイベントに関わったことは、良くも悪しくも自分の人生に大きな影響となった。

教育に関する様々なインスピレーションが芽吹いたこともそうだし、つれあいと出会うことになった、きっかけもそうである。


但し、私には笠木さんが発した言葉で、いまだに脳裏から離れないものがある。
それは、コンサート終了後、学内の芝地で打ち上げをしていた時のことだ。
大らかな時代で、皆だいぶ酒も入っていたと思う。
「それでは、笠木さんからも何かひとこと!」とでもいったことだったろうと思う。
その話自体はすっかり忘れてしまったが、その話の中に、こういう文言があった。

『 皆さん(我々学生実行委員)のおぞましい(実行委員がコンサートで行った企画コーナーのこと)〇〇は・・・・・』

笠木さんもおそらく酔っており、場を盛り上げようとして出た言葉だったと思う。
しかし、その「おぞましい」の言葉は、何度頭の中から打ち消そうとしても、消すことができない。彼が亡くなってから10年も経った今でも。
もうとっくに言ったこと自体は許している。
なのに、その言葉だけが独り歩きして、まだ私を苦しめているのだ。

彼は、その後そんな言葉を使ったこと、それが何十年にも渡って誰かに負の記憶を遺しているとは、いまわの際まで、夢に思わなかっただろう。

「おぞましい」なんて、たとえ酔っていたとしても相手に投げる言葉ではなかった。
私は、そのことを教訓として、自分自身がたとえどんな状況に置かれても、そのような言葉は封印しようと、心に誓っている。


今、これからを生きる人の為に言い遺したい。

1つの「悪い言葉」は、100の「良い言葉」をも消し去ってしまうのだ。

言葉の使い方は、話し方も書き方も、しっかり学ぼう。
学んでから使おう。

基本にあるのは、対象となる相手をリスペクトすること。

そして、「~扱い」しないことだろう。

そのような中から生まれてきた言葉は、100年先よりも、更にずっと長く、誰かの心の中に遺るはずである。

そんな言葉を探していこう。
そんな言葉を使えるよう、この世での貴重な今日という一日を生きていこう。



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江島 達也/対州屋
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