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教育を考える ② 「No!は、瞬時に簡潔に伝える」

これは、教師を辞めたずっと後、馬の調教を行っていた時に学んだものである。
馬と言っても、人が触ることもできない「未調教馬」或いは「半野生馬」であった。
当たり前のことだが、馬には「だめ!」なんて言葉は理解できない。
こちらが望む行動をしない時、してほしくない行動をする時は、「体の向き」と「声のトーン」で伝えなければならない。(馬の場合は、人間の皮膚程敏感ではないので、軽く頬を叩くこともある。あくまで懲罰ではなく、知らせることが目的である)

それも、やった直後で無ければ意味が無いので、すかさず端的に行う。
ケース・バイ・ケースなのだが、馬の場合、直後に向かい合って。低い声で「No」の言葉を掛けると、もっともよく馬にとって、「これはダメなんだ!」と伝わる。(ちなみに長崎市の荷運び馬方さんの言葉は、ダァーで、これを低いトーンで言う)

これを人間に置き換えてみると、判りやすいと思う。
誰が教師や上司などに説教をくらった経験はあると思うが、ガミガミねちねちやられたところで、その説教の内容なぞ、ほとんど頭の中には入っていない。少なくとも私はそうである。
私の場合、教師であったから、説教した側としても、やはり何にも伝わっていなかったと思い返す。

では、私を含め、なぜそんなにガミガミねちねちやってしまうのか?
「子ども扱い」「部下扱い」などの「~扱い」をしているからである。
自分が腹立てたことのストレスをぶつけているのである。
これはあたかも、「馬に向かって長々と説教をしている姿」と一緒で、傍から見ると、何とも意味が無いと言うか、滑稽なことなのである。

何かを心に響かせたいのであれば、苛立っている時では無く、きちんと教材として組み立ててから、相手の気持ちを高めるような形を取らなけらば、伝わることは無いのである。

「叱る時」「ダメ!」と言わなければならない時は、瞬時に簡潔に伝えればよい。
その後、ねちねちとダメ押しする必要は無いのだ。



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