早朝にたまたまテレビをつけると、堀さん(故)のインタビューをやっていて、堂々と「政府がまた戦争をやりたがってるんではないか」とか「隣組なんてのは、密告組織ですよ」と言った歯に衣着せぬ物言いが新鮮で、標題の本を購入し読んでみました。
感想を一言で言うと、「この人は圧倒的に裕福な階層の人だな」ということ。
若くして夫に先立たれた後は、大磯に土地を買って転居したり、イタリアに3年間住んだり、軽井沢にもアトリエを持ったりと、あまりにも一般庶民とは次元が違う。
表題の書も、堀さんの言葉を集めたものだが、それは堀さんが記録しておいたものではなく、インタビュー集から拾い集めたものだとわかる。
それ故、行動と言葉の矛盾も有ったりする。
しかし、堀さんのファンが多いということはうなづける。
自分は群馬大学の美術科に在籍していた。
「アート」に関してうんちくを語る先輩や同級生は、教育学部の美術科であるにも関わらず、かなり多かったように記憶している。
しかし、「この人は何か面白い」と感じさせてくれるような人は(自分には)いなかった。
堀さんのような先輩、或いは同輩がもしいたら、語り合ってみたかったなと思うような魅力のある人である。
その書の中から目にとまったものを幾つか書き出してみる。