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長崎/人物・歴史・エトセトラ

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2024年2月の記事一覧

みそ五郎伝説の高岩山に抱かれた小さな分校 ~ 南島原市立長野小学校塔ノ坂分校最後の一日

島原半島には幾つかの巨人伝説があるそうで、それは何と言っても中央に雲仙という威容を誇る火山があるためかとも思うのですが、その中でも西有家(にしありえ)町の「みそ五郎」伝説は有名です。 伝説を非常に要約すると、雲仙から近い場所にある岩山、高岩山には「雲仙に腰かけて、高岩山に足を乗せる」ほどの大男がいて、普段は人々から好物の味噌を貰って暮らしているのだけど、ひとたび水害などの天災が起きると、人々の為に活躍するというものです。 その伝説の高岩山の麓に抱かれた里に「塔ノ坂(とうのさ

「長崎最大の偉人 ド・ロ神父」は、典型的な提唱者型(INFJ) ①居留地・横浜では、追放された問題外国人だった

ずっと長崎の歴史を調べてきたが、何と言っても「長崎最大の偉人」と言えば、フランス人のマルコ・マリー・ド・ロ神父と岩永マキであろう。 時代背景もあるが、その偉業はスケールと質が違う。 ド・ロ神父は、その考え方や行動を知れば知るほど、今の「16Personalities」で言えば、提唱者型(INFJ)であることに間違いない。 その足跡を数回に分けて紹介してみたいと思う。 まず来日して滞在した横浜でのこと。 神戸でも長崎でもそうであるが、外国人居留地というのは、港を望む山手にあ

私が紹介したい長崎 ③ 十字修道会の古い門と近くのカトリック幼稚園の聖母子像

まず観光客が行かない場所であるし、ほとんど知られていない。 十字架や秘密聖堂跡、ルルド、カトリック墓地など、この地区には、「浦上四番崩れ」と呼ばれたキリシタン弾圧にまつわる偉大な歴史ストーリーが満ち溢れている。

私が紹介したい長崎 ② 馬がつくった街からの夜景

撮影した場所は、観光バスはおろか、自家用車も駐停車できない場所である。 この夜景をゆっくり見るには、歩いてくるしかない。 従って、場所を詳しく書かない。 ここは、かつて馬方さんをされていた方が、「ここいらの家は、みんな建てる時に、馬が資材ば運んで建てたとばい。」と言われる場所である。 山裾や、坂の斜面地に坂段と呼ばれる小径が蜘蛛の巣のように張り巡らされた場所。 そこに浮かぶ灯は、ひとつひとつが、それぞれの家族が灯す、やさしい灯なのである。

私が紹介したい長崎 ① 外海のキリシタン集落の静かな時間

元キリシタン集落に点在する教会や施設群。 角力(すもう)灘の海を望む海岸線。 遠くに見える炭鉱のあった島々。 そして、それらを尋ねる時の静かな時間。 私的にたまに見たくなるのは、大野教会の中から出てきた時に、視線が合うマリア像である。