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長崎/人物・歴史・エトセトラ

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2023年1月の記事一覧

石の記憶 ~ 大村市萱瀬・海軍航空廠疎開工場跡

長崎新聞での連載「僕の子ども絵日記」で、2009年6月28日の21回は、大村市の萱瀬ダム下流の田下町を舞台にしました。大村市内あちこちを方々歩いて、ここへ来た時、この石垣にひと目見て惹きつけられ、すぐにここに決めました。 この回の作品は、自分なりに気に入っている作品のひとつになりました。 後にこの場所を訪れた時に、この石垣の「由来」について知ることとなりました。 太平洋戦争の最中、この場所には大村海軍航空隊の航空廠(軍の航空機工場)のプロペラ製造工場があったそうです。おそ

仕事日記ブログのバナー集 (冬編)

劇場のスクリーンで「空の大怪獣ラドン」の中の、昭和30年頃の坑道内と炭鉱街の「天然色のリアル」に触れた

かつて県内のいたる所に存在した炭鉱と炭鉱街。 それはどんなことをしても、当時を再び見ることはできません。 数枚残されているかどうかというモノクロの写真だけが手がかりで、それすら無いところばかりです。 今、かつて炭鉱があった場所に立ってみても、「本当にここにそんな場所があったとは、到底信じられない」ような所ばかりで、果たしてそれが正しいのかどうかすら疑問になります。 しかし、ほぼ唯一。昭和30年頃の炭鉱街を当時のカラーのまま、見ることができるのが、表題にある東宝映画「空の大

池島アパートの一室を見せてもらう

軍艦島ガイドをしていた時、お客さんの中で「少しでいいから、アパートの中を見てみたい」と言われる方がけっこうおられました。 それはただの好奇心からくる、と言うよりは「自分自身が幼い頃生きていた時代を思い出したい」というようなものではなかったかと思います。私自身が初めて軍艦島に来た時も同じような感覚を持ちましたので・・・ 都会からツアーに訪れる多くの方が「あの頃は・・・」と懐かしそうに昔を語られます。その時代を思い出すとにより自分自身の「アイデンティティーを再確認する」というこ

上五島へ ~ 中ノ浦教会

長崎新聞の連載時代に、一個所だけ現地を訪れていない場所。 それが上五島でした。 端島や高島、池島といった炭鉱の島に魅せられ、その炭鉱とも縁の深かったカトリック教会(炭鉱マンには信者が多かったそうなので)。 先日歩いた北松では、炭鉱町は無くなっていても、点在するカトリック教会の場所で、かつての炭鉱集落の位置がわかりました。 ともかく、ここ上五島にゆくことになるのは、必然的なことに思えましたし、実際の上五島は予想をはるかにこえた、いい場所でした。 上陸した奈良尾港というのは、こ