富夫 (2011)
製作国: 日本
上映時間: 1 時間 1 分 (61 分)
日本公開: 2011 年 9 月 2 日
監督: 伊藤潤二
U-NEXT で視聴。
うろ覚えのストーリー
婚約中の男は、妖しい占い師の女と密かに関係をもってしまう。女は男の生首が欲しいと言い、安請け合いをした男は酷い目に遭う。
レビュー
面白いアイディアだが 60 分はもたない
星 2 ★★☆☆☆
生首を題材として、主人公が恐ろしくも馬鹿馬鹿しい状況に追い込まれる。
必死になってなんとか抗おうとする主人公の姿は、真剣になればなるほど、恐怖というよりも滑稽である。
周囲の者たちも、最初は主人公の訴えに対して「んなアホな」という態度であるが、事実を突きつけられるにつれて「ゴクリ。。。」と目を見合わせる。
このアイディア自体は、伊藤潤二らしい、ホラーと少しのコメディーが入り混じった秀逸なものであると思う。
しかし、このアイディアだけで 60 分は長すぎる。
首の話はもう分かったよと、ヨタヨタ歩きでボソボソ喋る主人公にテンポの悪さを感じてしまう。
アイディアが提示された後に特段展開があるわけでもなく、オチもまあこんなもんかという程度。
両手を使えないという制約により主人公が何か厄介な状況に巻き込まれるとか、そういう小ネタがもう少しあっても良かったかも。
思うに、伊藤潤二のホラーの多くは、奇想天外な着想を見せること自体に主眼があり、比較的長い映画にすることには根本的に困難を伴うのではないか。
着想だけもってきてストーリーは組み立て直すか、テンポよく 30 分のアニメーションにするか、という形になりそう。
本作は、古賀新一、伊藤潤二、御茶漬海苔の御三方がそれぞれ監督を務めた「古潤茶」というプロジェクトの作品の一つ。
シリーズの立派なオープニング ムービーが最初に挿入されていて、何だか笑ってしまった。
富夫役の古川雄輝は、白いハイネック姿の佇まいがまんま伊藤潤二漫画の主人公。
映画より後のようだが、本作は「富夫・赤いハイネック」のタイトルで短編漫画になっている。
ちなみに、富夫というタイトルではあるが、富江的な要素は妖艶な女以外にはない。
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