終わらせたくない
寂しさを紛らわすために読んでいた漫画で今の心情にぴったりの言葉を見つけた。
「何事も終わりが来て欲しくない」
オカヤイヅミさんの漫画のセリフだ。
美味しいご飯はずっと食べていたいし、旅はずっと続けたい。終わったら寂しさが残ると僕は思う。
終わった後の寂しさがとても悲しいし怖い、さっきまで体験していたものが、過去のものになる。
今月の楽しみだった旅がさっき終わって、家に帰り着いた、家は寒く、且つ一人だ。
ここ一週間ほど友人と楽しく飯を食い、酒を飲み宿に泊まるを繰り返していたので一人でいることへの反動がでかい。
楽しければ楽しいほど、反動はでかい。人生山あり谷あり、山が高いと谷は深いのだ。
出会いがあれば別れもあるように、始まればそれはいずれ終わる。
丁度、好きな小説を読み進める時に感じる寂しさのようだ、左手で持つ紙が薄くなるたびに終わりが怖くなってくる。
逆にいうと辛い事もいつかは終わりが来るだろう、そういう捉え方も出来る。
ただ、終わりが来ることが怖くて何事にも消極的になってしまう時がある。
僕は何も始めたくない。
人と一緒にいる事も同じだ。好きな人と一緒にいる事はとても楽しい、友人でも、恋人でも、どこにも定義できなそうな人でも。
だけれど、いつかは別れが来る、短期的な別れでもね、長期的にでも。
「また明日な」と別れる友人との短い別れでも、恋人に告げられる別れであっても。
たまに、明日も会えると思っていた人に永遠に会えない時もある、遣る瀬無い気持ちになる。
僕は夏が大好きだ、夏というだけでうきうきして外にスリッパ引っ掛け遊びに行く。秋の風が吹くと悲しくなる、また今年も夏が終わる、と。
ただ、夏は来年またやってくる、夏を楽しめる僕が来年もあるかは分からないけど。
季節と違い、楽しい出来事は過去のものになるし、好きな人とまた会えるかは分からない。
季節のようにまた巡ってきておくれ。
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