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"もったいない" !?

この100mmの画像、どこかしっくり来ないでしょう。黒鏡胴にクロームのリム?普通、黒鏡胴には同じ黒のリムが付いてますよね。

これこそがHasselbladの"もったいない精神"(?)なんです。

T☆コーティング、カラーフィルムに対応したという新しいレンズのコーティング、が採用されて鏡胴は黒になったのですが、実はその前の時代のリムが相当数余っていたのでそれを流用した、といういとも簡単明瞭な理由なんです。又同様の例として、以前のコーティングのレンズユニットが黒鏡胴に組み込まれているものもあります。この場合は当然T☆の表示はありません。

こういった"レア物"には又々コレクターによる神格化がなされて、あたかも特別な個体かの如く吹聴されてしまったという訳です。

こういう"もったいない"の例は、ボディにも見られます。中でもその筆頭格が"スクリーン交換型500C"という"レア物"です。

これもシェルの余剰を使用しただけで、中身は完全無欠(?)の500CMです。

Hasselbladの各モデルには都市伝説も数多く伝わっていますが、実際はこういう非常に現実的な理由なんですよね。

でもこういう所に私は、当時のHasselblad社の人間臭い暖かさを感じてしまいます。




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