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息子、山を行く

私たち夫婦の共通の楽しみのひとつが登山です。
登山といっても、テントや山小屋を利用する中〜長期的な山籠りだったり、アイゼンやピッケルなどを用いる冬季登攀を行うわけではなく、春季〜秋季に日帰りで行ける気軽なものです。また妻は日頃からトレーニングをしているわけではないので、なるべくハードルの低い山、ルートを選びます。幸い名古屋市内からも車を利用すれば県内に加え、近県でも日帰りで行ける山には枚挙にいとまがありません。また鉄道を利用して通勤時間程度で行ける山もあります。

息子を授かり、育てる5年ほどは全く山からは遠ざかっている中「専用バックパックで息子を連れて山歩きをしてみよう」と思い立ったのは2019年秋頃でした。少しずつ検討を重ねているうち、この度のコロナ禍となってしまったことから実現が遠のいていました。伝染病の流行下にあっても山に行くのには一見何の問題もないかと思えますが、アクセス途中での人との接触や万一遭難した際の救助や入院など、広範囲に影響が及ぶことがわかり、楽しみはお預けとなりました。

この度全国的な緊急事態宣言が停止されることとなり、行動が大幅に緩和されました。まだウィルスは根絶されたわけではなく、治療法も確立されていないので注意が必要ですが、「三密」を避けた状態では比較的自由に動けることができるようになりました。
そこでかねてから考えていた息子との山歩きを実行することになりました。行き先は何度も歩いたことのある気軽な山道にしました。とはいっても息子はまだ2歳、初めての山は公園を走り回るのとは訳が違います。全行程をキャリアで背負って歩こうかと思いましたが、整備林道など危険性の低い場所は歩かせることにしました。息子は他の同年代の子供と同様歩き回るのは好きであり、同年代の子供以上に長く歩くことを苦としていないようです。「おんぶして」と手を上げるまでの1.2キロ(登山アプリ数値)は初めての山歩きを楽しんだようです。

この後はキャリアに乗せて一緒に歩くことになりましたが、次第に退屈してきたのか、行動食として持参したグミを何度もせがんだり、キャリアの上で動き回ることが多くなってきたので、行程の半分ほどで山行は中止し折り返すことになりました。(いつでも折り返しができるところが登山の良い点ですね)

やや穴場的な登山道ではあったので行き交う人はまばらでしたが、マスクをする人も多かったことからコロナ禍が登山スタイルすらも変えつつあるのかと感じました。

息子との山歩きを終え、私のやりたいことリストのひとつが完了しました。今後も続けたいですが、キャリアで背負うのはもう無理かな。次回は自分で山歩きができる年齢になったら再開し、成長に合わせて少しずつ違う山に挑戦したいと思います。また他の登山者との挨拶など、山歩きを通していろいろなマナーについても学んでくれればと願います。

自身の山歩きに関しては、中学校で行われた登山が初めてだったことを思い起こすと、息子の2歳での初めての山歩きが良い経験になればと思います。山好きになるかどうかはわかりませんが、次の楽しみが増えました。

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