10月に静岡でTRUMPやらせてもらう劇団の演出で俳優の現役生物教師が不死の力を持つとされる始まりの吸血種について考えてみた。 その③
③イニシアチブとは?
生物屋で教師の自分が不老不死の役を演じる上で、納得して表現をしたくて色々考えてみました。 自分用のメモなので、かなりこじつけかつ個人的解釈です。ネタバレ容赦しません。ご注意。広い心でどうぞ。
あなたのTRUMP考察はどこから?私はDNAから。
◆イニシアチブって?
これも「吸血種に特有のホルモン」があると仮定して考察します。
再演SPECTERのパンフに、イニシアチブは「吸血種の牙から分泌される物質による細胞レベルの支配」だと書いてあったので、だいたい合ってるんじゃないかなあと思うのですが…どうだろ?
ホルモンは、血液中に分泌され細胞膜を通って、DNAからタンパク質を発現するシステムに影響を与えるくらい強い力のある物質です。ものによっては体の構造をも変えてしまいます。
ホルモンには脂質でできているものと、タンパク質のもとであるアミノ酸からできているものがありますが、たぶん吸血種ホルモンは後者です。
アミノ酸からできているホルモン(ペプチドホルモン)は、DNAから直接作られるので、そのDNAの持ち主つまり「個人」の情報を入れ込むことが可能だからです。
で、
吸血種は「噛む」という行為によって、この「個人の情報が入ったホルモン的なもの」を相手の血管内に注入します。それが血液を通り、細胞に到達したところでその主が指令を出します。
だから首噛むんですかね!大きな動脈があるので脳と体に血液が循環しやすいから効率がいいのかもしれないです。特に脳が近いのがいい。体を動かす信号を出しているのは脳だからです。ここの細胞を乗っ取ってしまえば、DNAの主の思い通りに相手を動かすことが可能です。
この指令の正体が、超音波的なものなのかフェロモン的なもの(匂い)なのかちょっとわかりませんが、自分の意志では抗えないという現象が起きている以上、神経の伝達に直接作用する何かであることは確かです。指令を発する器官があるのかな?
吸血種といえばコウモリなので、私は超音波説を推したい。エコロケーション的な…。イニシアチブのSEも「キーン」っていう超音波っぽい音ですし…いかがか。
戻します。
このように考えると、イニシアチブが半永久的に持続するということにも納得がいきます。細胞に到達した「DNA入り吸血ホルモン」が細胞膜にくっついたままになった場合、常にDNA主からの指令を受け取ってしまう状態になるからです。
また、脳は神経回路が一度できてしまうと、それがとても強い刺激によるものだった場合、その回路はなかなか消えてくれません。刺激を何度も受ければ、より回路は強くなっていきます。麻薬の依存とかがこれです。
DNA主が死ねば、指令を出す刺激源がいなくなるのでイニシアチブからは解放されます。合点合点。
いくつかのイニシアチブが重なった場合、吸血ホルモンが指令に反応する優先度が必要です。これは、指令を発する側の強さで解決できます。
純血種とダンピールが同時にイニシアチブを発生させるとき(ファルスとリリー)、純血種の方が指令を発する器官が強く、ダンピールは純血種に比べると器官が弱いのであれば、リリーのイニシアチブが勝っちゃったのもわかりますね。とてもつらい。
グランギニョルでは5、6人のイニシアチブを受けた吸血種が発狂するかイレギュラーになるかという実験結果が出ていましたが、そりゃ脳細胞に直接指令が出される状態がいくつも重なったら発狂しますわ。
「「じゃあTRUMPのイニシアチブどうすんの!!」」
それな。
TRUMPのイニシアチブは、ホルモンとかいうレベルではなく吸血種の遺伝子が反応したのだと考えています。「吸血種という種族全体に始まりの吸血種のDNAが入っている」というのは公式情報なので、細胞1つ1つにはTRUMPの情報が入っているわけです。もちろん、脳細胞にも。これなら、わざわざ噛んで情報を注入する必要もありません。あとは指令を出すだけです。
ここでも超音波のような空気振動が指令の正体なら、距離が離れていてもイニシアチブを発動させることできます。やっぱ音波かなあ…。
まとめ
・イニシアチブは、DNA入りの吸血種ホルモンによる細胞に沈着させることによって、神経細胞から発する信号をなんらかの刺激(音波?)で操ること。
・TRUMPのイニシアチブは、細胞の中にすでに組み込まれている吸血種DNAによる脳信号の支配。
じゃ、その「始まりの吸血種」ってどうやって始まったの??
ほんとな!!!!!!
ということで次回は種の発生とTRUMPという存在について。
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