たべる見出し

短編集「たべるということ」

演劇ユニットHORIZON オリジナルシリーズ「星辿る人」キャラクター短編小説集

カノープスのだし巻き卵

 この魂は、なぜ自分に食事をさせるのだろう。北極星として生まれてから、この惑星の生命を循環させてきた。しかし、この惑星にある魂には「こころ」というものが存在し、ただ循環させるだけでは淀みが溜まってしまう。そして、とても数が多い。問題の解決のために、ある魂に「星」の名を与えて循環の手伝いをさせることにした。最初に与えた名は、カノープス。この惑星の真ん中にある星だから、ちょうどいいと思ったのだ。

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