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自転車で75時間1000km走る技術

タイトルは下記の書籍を参考。

 2023年のGWイベントとしてVCRあおばのBRM503酷1000km(酷千)を走ってきました。

 コース概要は以下の通り。

稲城~宮ケ瀬~足柄峠~富士川~杖突峠~飯田峠~高山~富山~上越~長野~碓氷峠~山伏峠~稲城

山がち登りがちということが一目でわかるあおばらしい酷いコースです。600〜
700kmの平坦部分は富山市から上越市あたり。

BRM1000kmとは

 1000kmのブルベはACPが管轄するブルベでは一番長い距離のものです。しかし
SRを取得するには必要ない距離だしSR申請時に短い距離のブルベへの代替不可というちょっとだけ200,300,400,600kmとはちょっと違った扱いです。ただしR10000,R5000の申請には必要だったりPBPの優先申込なんかには役に立つらしいです。制限時間は75時間。600kmまでは要求平均時速15km/h、そこを越えたところからは緩和され最終的には13.5km/hで走ることが必要です。

 VCRあおばでは初開催の1000km。スタート地点は自走で行ける所で主催の方も知り合いだし厳しいコースだけど楽しそうなので走ることにしました。(←辛かったw) 今回の酷千はフィニッシュでのコンビニレシート証跡以外はフォトチェックで通過時間等もリミットが設けられていないので走行計画の縛りが若干ゆるく設定されていました。とはいえスペックとして1,000kmで10,000m以上登る厳しいコースなので全然ゆるくはない。でも道中を楽しむ時間は普通の1000kmよりはあるかもしれません。(←なかったw)

1000kmの走行計画、装備

 思い返すと8本目?の1000km参加でした。基本的な装備や走行計画は600kmとそんなに変わりませんが仮眠休憩を一回は入れることと今回はPCが設定されていなかったので約80kmごとに補給に立ち寄るコンビニの目星をつけておきました。仮眠については600km地点の滑川の市民交流プラザ内あいらぶ湯にて取ることにしました。そしてなるべく頑張らない走りで完走を目指しますが、そうはいっても登りが多いので頑張らざるを得ない。
 1000kmということで装備に加えたものは歯ブラシ&歯間ブラシ(距離が長くなると口内環境悪化、気分をリフレッシュするためにも)、タオル(お風呂用)、アンダーウェアと靴下の着替え、あとは電子機器(ライトやGPS)の予備電池を多めに携行しました。

 なお、いつもの装備は以下参照

酷千実走

 時系列で逐一走行レポートすると冗長になってしまうので実績と雑感をまとめた感じで書き留めておきます。

5/3 9:00スタート。賑わう車検風景。かつてこんなに参加者の多い1000kmがあっただろうか

 事前のGW後半の天気予報は悪天候でしたが直前の予報で3日間とおして雨の心配はなくなり懸念材料はひとつ減りました。その代わり日中の気温が30℃近くなったり、明け方の気温が5℃以下という寒暖差激しい条件でした。浅間サンラインを走ってる最中は気温だけでなく陽射しも厳しく思い返すと軽度の熱中症になっていたような気がします。事実その辺りからペースもガクンと落ちていました。たまらず碓氷峠では15分停止して休憩。この時、能登での地震の緊急地震速報が来てその場にいた六人(うち四人は四輪)のスマホが一斉に鳴った。

 コースはふんだんに登りが取り入れられていて序盤の足柄峠、富士川沿いの登り基調アップダウン(昔Flecheで走った)、杖突峠、中盤のSR600日本アルプスにも組み込まれている大平峠、舞台峠、後半の新井から野尻湖まで続く国道18号線の27kmほどの登り、浅間サンラインの無限アップダウン地獄と軽めに碓氷峠、そして終盤弱ったところにとどめの秩父からの山伏峠(峠そのものはそうでもなかったが取り付きまでの国道299号線が案外辛かった。最初入口間違ってしまったし)。そのほか名も無い坂がたくさん散りばめられていました。最終盤の直登区間では踏む力もなく押し歩きしてしまった。入線には手間取ったが千曲川のサイクリングロードは気持ちよかった。また足柄峠を下るときに見えた富士山は美しかった。

峠標柱収集

 GW中ということもあり高山市街、富山市街や軽井沢は渋滞や信号ストップでリズムが崩れがちでした。
 雪国の荒れた路面にもやられてしまい4時間程度の仮眠休憩で回復することもなく終盤は座骨、手首、掌の痛みと足裏の痛みを伴う痺れに悩まされながら走ることとなりました。また高山から富山に至る区間は下り基調とはいえトンネルの連続でストレスフルであった。でもしょうがない。

 補給は80kmくらいごとにセブンイレブンに寄るようにした。ちょうど「ニッポン!うまいものフェア」をやっていたのでその品物で食事する縛り。ほぼ食べきることができたが佐野ラーメンだけ食べのがしてしまった。乗車中はいつもと同じ薄皮パンでつないだ。今回気が付いたのは山崎の薄皮あんぱんに比べてファミマのは一個あたりのカロリーがずいぶん低いということ。一袋あたりでも一割すくない。なんとなくお腹が足りてない感じがしたのはこれだった気がする。

うまい!うまい!うまい!

 単独で走ることが多いのですが今回はお一人の方と糸魚川の能生(673km)からフィニッシュまで御一緒しました。聞けばウルトラマラソン系の強者さんでした。終盤はペースを上げることができなくなってしまい脚を引っ張ってしまい申し訳なかった。
 なんとかフィニッシュまでたどり着いたが自宅までの帰路は10km/hくらいしか出せないくらいにやられにやられてしまっていた。各部の痛みに加え左ふくらはぎ上部に張りがでていた。これは今まで経験したことがない症状。おそらく座骨や手首の痛みでフォームやペダリングが乱れた状態で長く過ごしてしまったからかもしれない。

 途中立ち寄った滑川市市民交流プラザの温泉施設あいらぶ湯はお風呂が5階にあり浴槽から立山連峰の景色が望めて素晴らしかった。ブルベ関係なしにまた寄りたいくらいです。

お風呂からは撮れないのでその手前の立山連峰の風景

 機材トラブルはGPSマウントの破損があった。ボタン操作の際になんかおかしな感触があるなと思ったら妻籠宿への下りで吹っ飛んでいきました。無事回収できてよかった。

荷が重かったか、、

 道中の記憶のかけら

富士山、富士川
木曽は木がふんだん
ラウンドアバウト、アーチ橋
朝焼け白馬、第三橋梁、やる気ない鯉のぼり(むしろそれでいい)
酷千走行実績(TC7-8間は休憩時間4時間を除くとav.17.48km/h)

 最後にデータを眺めてみると休息前の600kmは32時間くらいで走ってるにも関わらず後半400kmは休憩時間を除いて31時間かかってるというやられっぷりは
見事。切り崩せるぐらいの貯金を前半に貯めることができたのでなんとかなった。

まとめ

 厳しいコース、激しい寒暖差にも関わらず好天に恵まれたおかげで無事(?)走りきることができてよかったです。このコース、雨が降ったら完走は難しかったかもしれません。今までの走り方同様なるべく頑張らずに休む時間を少なくして走りきる作戦でしたが後半思ったような走りができませんでした。今の状態での1000kmは仮眠休憩、補給戦略を練り直す必要があると感じました。
 最後に、主催者であるVCRあおばのスタッフの皆さま、そして他の参加者の皆さまに、心から感謝申し上げ終わりにいたします。いやー酷かった。


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