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ブルベとキャノンボールの装備の違い

 キャノンボールに挑戦する計画中に感じてた事ですがブルベとキャノンボールは走る時間や距離が重なり合うところが多いけど装備が全然違う。(ブルベなら400kmを27.5時間、600kmは40時間。キャノボは500〜550kmを24時間)
 なぜ変わるのかというと大きく括ると軽量化の重要性が高いこととトラブルへどう対処するかに大きな違いがあるからです。キャノンボールはファストランなので軽量化することは重要です。装備は厳選した方が良い。(空力も重要ですがここでは除外)トラブルにはメカトラだけでなく天候や体調、ミスコースなども含まれますが今回に関わるのはメカトラブルと天候が主です。
 結論から言うと自分の場合、ブルベ仕様のものに比べて最終的に2.7kg程度の軽量化をすることができました。

【違いの大元は何?】

 ブルベの場合、出走は主催者の設定した日付と時間に決められています(除N2BRM方式)。雨が降ろうが風が強かろうが気温の高低も関係ないなのでこちらから装備で合わせていく必要があります。また完走を目指す為に途中で起りうるトラブル(メカトラ、体調不良)への対処と撤退戦時の装備が必要です。

 キャノンボールの場合、”達成”を目指すなら実現に良い条件の日を選び、完遂できない状況になった場合即DNFする選択肢を一番に選ぶことも可能です(ブルベでも選んでいいのですが)。なので装備は削れるだけ削って軽量化します(”完走”なら少し変わってくる)。その辺は不測の事態をどこまで想定するかによって変わります。

【何が削れるか?】

 まず天候で雨と寒さを除外すればレインウェアは持って行かずに済みます。またそれらを入れるバックを省略できます。パンクについて1、2回分リカバリーできて
工具はネジが緩んだ時に再度締め付けられる程度の物のみを携行。チェーン切れとかスポーク折れなら即終了で。重量に大きく寄与するのはこの三項目です。

【削れないものは何?】

 保安部品(ヘルメット、前照灯、尾灯、ベル)、安全用品(三角反射板、反射ベストなど)、GPS。あとは小型軽量の鍵、輪行袋、お金(現金とカード)といったところでしょうか。自分は加えて薄手のウィンドブレーカーを持ちました。

【ざっくりと比較】

 それではどのくらい違いがあるのか?先日の300kmブルベの100周年記念(最初に走ったのは1922年6月11日だそうです)を走る朝に何気に装備重量を測ってみました。それを元に比較してみます。

ざっくり合計4kgなり

2022年6月11日の埼玉、群馬、長野方面は降雨が予想される日だったのでレインウェアはフル装備です。自分の場合はブルベでは道中、晴れで夜間の気温低下が酷くない予想の場合を除いては携行してますが。

リアのシートポストバック(リクセンカウル/コントアーマグナム)の中はレインウェア一式(ジャケット、パンツ、テムレス、シューズカバー)と輪行袋(PEKO製)と補給食(おにぎり2個)、フロントバック(オルトリーブ/アルティメイト6
)はウィンドブレーカー、予備チューブ一本、携帯ポンプ、補給食(薄皮パン2袋)に予備電池類、衛生用品(ティッシュ、絆創膏、シャモアクリーム、日焼け止め)など。
 ブルベの場合、走る距離やその日の条件で変わってくるのでなんとも言えませんが暖かい時期のブルベは大体こんな装備で600kmまで走ってます。この日ダウンチューブに刺してたツール缶は459gだったので装備重量約4kg(含む補給食)もあったことになります。改めて見直してみると結構な重量を運んでるもんです。この他にGPS、ライト、ボトル(の中身)もありますし。

 

ブルベ時のレインウェアと輪行袋
レインウェア一式は647g。キャノボではいらない


輪行袋は撤退戦に必須。ウィンドブレーカーは夜の寒さに対応するために携行

キャノンボールの場合ですがトラブルの元は出走前に潰しておいて、もし挑戦中にトラブルがおきたらDNFで対処するということを念頭に置けば携行品を厳選し軽量化を測ることが可能です。
 自分の場合はレインウェア一式を自宅待機。ツールも想定としてパンク1,2回分とネジが緩んだ時に対処する必要最小限の工具にしました。これだけで1.3kg程度軽量化できたようです。ウェア、GPS、ライト類、安全装備についてはあまり軽量化できる余地は自分にはありませんでした。

左下ブルベ時、右下中身、左上キャノボ時、左上最小携行工具類
保安装備や安全装備はそんなにかわらない(上:ブルベ 下:キャノボ)
キャノボではキャットアイのサイコンは不使用
キャノボで使ったバックはマウント類を必要としない軽量な物

 使うバイクも結構重量が違います。キャノボで使ったバイク(←普段乗ってる)
とは別に全く同じフレームのバイクをブルベでも使っています。キャノボに使ったものは軽さを重視して組んであります。ブルベ用より約1.0kg程度軽くなっています。 主な違いはキャノボで使ったものは25Cを履かせたカーボンホイール、カーボンパーツを多用、11-28T、コンポがSRAM RED。ブルベ用は雨の日も走るのでアルミリムのホイールだったり、バックのマウント、11-34Tのスプロケ、3つのボトルケージ、ハンドル、ステム、シートポストはアルミ、28Cのタイヤそしてコンポが80系アルテグラという仕様です。

キャノボ仕様(6.66kg)これにDHバー(371g)を装着した
ブルベ仕様(8.17kg)

【結論】

 これらを合わせてブルベ時に比べるとざっくり2.5kg(装備品で1.32kg、バイクで1.14kg)の軽量化となりました。実際走ってみて自分には持っても走ってもかなりの違いだと感じました。また重量の分布もブルベの時に前後に振り分けられていたのが中心に集まる感じになったのでバイクの取り扱いが楽でした。(後日再検討してチューブを含む工具類は最小限にすると271gまで落とせることがわかったので2.7kg程度ブルベ仕様よりも軽量化して走れそうです。)

ブルベとキャノボのバイクおよび装備品重量の違い(キャノボは実際の走行時に用いた物)
工具を最小限にした場合(削減総重量2.7kg)の削減割合
バイクからバックのマウントを外すのが面倒でマウント分はバイクに含まれています。
なのでそれをバックに含めるとより装備品で削減できる割合が増えます。

 ブルベを走っているといろんなことに対処しようとするあまりいろんなものを持っていきがちですが装備を厳選することでより速くより楽しく走れるのではないかという考察でした。


 ちょっとした思いつきをまとめてみました。皆さんのライドスタイルに合わせて参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。
 なお、キャノンボール時の詳しい装備は下記記事をご参照ください。



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