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キャノンボール大阪→東京実走編3(興津→日本国道路元標)

夜が道をつつむ。闇の時間がはじまる。

最終区間の経路。御殿場まで長い登り基調になる

ファミリーマート清水由比→生土交差点(425km地点

 由比から蒲原あたりで興津600,400のブルベ参加者とスライドしながら走る。向こうはこっちがなにやってるのかはわからないだろう。暗くなりつつあるので前照灯、尾灯を点灯。新蒲原駅で新富士川橋を渡るために道をそれる。


静岡でかいし渡る川の幅もいちいち長い

 この橋の車道は自転車通行禁止なので歩道をゆっくり進む。渡ったところに道の駅富士。用を足し顔洗う。洗顔してたら鼻血が出た。さほど自覚はないが疲れからなのか体調は悪くなってるようである。 13時頃には34℃を表示していたGarmin先生は20℃を切ってきた。ウォーマー類を装備、サイクルキャップを前後逆にかぶりなおして10分停車して再出発。 富士由比バイパスの迂回で旧道を走る。静かで落ち着いた道だ。


自転車通行禁止区間を迂回して東海道へ。この後の檜交差点で裏技も発動

 原東町でR1沼津バイパスに入ると賑やかにはなったけど交通量は予想より多くない感じ。江原公園交差点でR1を離れる。また東京でお会いしましょう。
 ここからR246に付け替えて東京を目指す。25kmほどの登り基調でこの経路の最高地点459mの御殿場に向かう。R246も自転車通行禁止区間が結構あるので早々に南一色交差点で外れて県道伝いに北上する。ブルベでも通ったことがあるのだがずいぶん前なのでよく覚えてはいない。ところどころ前通ったなと思う程度。
 そしてスタートから携行していた補給食が尽き果て気持ち的にもしょっぱいものを食べないと心が逝きそうだったので406km地点の御殿場神山のセブンイレブンで補給と補充。一度きりのコンビニストップです。スパゲティを食べるなら711と決めている。麺が他二社に比べると断然いい。残り110kmほどなので薄皮パン一袋、ゴール後に食べるおにぎり一個を補充しボトルにはポカリスエットを並々と注いだ。15分ほど停車。

【414km・御殿場駅・午後9:12・平均時速23.3km/h】

 17時間42分経過。コンビニストップと登りが1時間20分も続いたのでがっくりと平均時速も下がった。生土交差点でR246に復帰。程なく神奈川県へ入る。さらば静岡!192kmは長かった。

生土交差点→(ルート変更)→日本国道路元標(518km地点)

 ここで小トラブル。河内川と鮎沢川の合流(この後、酒匂川になる)429km地点でOregonが初期化されてしまった(実際はされてなかったがここで電源を切ったのでOregonにはここまでのログしかのこされていない)。Oリング二個でDHバーに固定していたの(計画編2参照)だが度々ずれて画面内にずれるとたまに反応してしまっていた。偶々まずいコンボが決まってしまい再起動がかかってしまった。ここまでくれば道案内はいらないが、Edge一台ににログ取りの全てを託すことになった。

 R246に入ると大型トラックの大きさが増し、走る数も今までに比べると気になってくるぐらいには増加してきた。脇に避けられる時には避けて先に行ってもらうようにするし抜かないように進む。新松田までは下り基調。自転車通行禁止区間手前の庶子交差点でK72に外れ新籠場で再合流。ロードバイクでも車でもよく走るところなのでこの後の道の具合やアップダウンなんかはよく覚えている。ただこの日は渋滞まではいかないがなんとなく走りづらいと感じた。
 深夜に向かうというのに秦野もやはり混み気味。赤くライトアップされたカンボジア寺院を横目に新善波隧道をえっちらおっちら登る。伊勢原あたりでついに渋滞っぽい様相を呈してきた。明らかに車が増え流れが悪い。
 そこであらかじめ考えておいた別の経路に外れることにした。461km地点の上北ノ根交差点で右折しK22、新用田辻でK45中原街道を使って丸子橋で多摩川を渡る計画を発動することにした。この道は古代の東海道であり江戸時代までは脇往還として使われていた経路らしい。事前に車で試走してみたがアップダウンが多く昼間は交通量が多く大型トラックもまあまあ通る感じの経路でした。しかしこの渋滞ぎみな状況だしこの後の厚木から渋谷への交通量とアップダウン、陸橋のたびに自転車通行禁止なR246のことを考えたら悪くない選択だと考えました。

R246を外れる。ルートはスマートだがギザギザ標高図

【461km地点・R246上北ノ根交差点・午後10:35・平均時速25.4km/h】

 下り基調だったおかげで平均時速を少し盛り返しました。ここでGarminEdgeのマップを変更して丸子橋に向かいます。
 試走の時は多かった車やトラックも流石にこの時間帯には少なかった。門沢橋で相模川を渡り中原街道へ進路をとる。厚木基地の脇を抜けR467を超えると徐々にアップダウンが始まりだした。最初は緩やかな勾配に感じられたが進むにつれて割と急なところもあったりして練習に使うにはいいのでは思ったが今は違う。R246を走るよりはマシだと言い聞かせながらクランクを回す。信号のタイミングも下りの最底部で引っかかったりして毒づくがR246よりはいいんだと思い込ませながら止まる。ナチュラルに信号無視していくスクーターの兄ちゃん達がいたりと色々修羅の国であった。新丸子の中原クランクを通過し丸子橋で多摩川を超えた。

【503km地点・丸子橋・翌23日午前1:06・平均時速24.4km/h】

 残り15km、残り時間は3時間24分。達成はもう間違いない。しかしここは東京。残り距離をどのくらいで行けるのか。深夜とはいえいちいち信号が止めにかかる。経路はよく知ってるところなので間違えようもない。
 しかし本当に進まない。途中から大気が不安定なのか強く風が吹いたり小雨がぱらぱら落ちてきたり。ラーメン二郎三田手前で信号待ちしてたら反対車線から電動自転車?っぽいのに乗った兄ちゃんが中央分離帯に突っ込んで吹っ飛んでいく。隣の新聞配達の人と一緒に驚く。三田二丁目の交差点を右折。振り返ればそこには東京タワー。帰ってきた帰ってきた。日曜深夜の人気の薄い街の明かりも寂し目な新橋、銀座をゆっくり抜けて日本橋の日本国道路元標に到着。あれ?誰かいるよ。

自分にとっての東京のシンボルはスカイツリーではなく東京タワー
実際到着した時間帯はこんなに明るくありませんでした(扉絵参照)
でも皇居周りよりもフィニッシュに花を添えてくれる気がする

【518km地点・日本国道路元標・翌午前2:03・平均時速24.0km/h】

日本橋到着

 大阪→東京キャノンボール 21時間33分で終了。達成しました。結局最後の15kmに1時間近くかかってしまいました。おそるべし都内の信号峠。ひとり静かに迎えることになるだろうと思っていたフィニッシュでしたが待っていてくれていたのはチームの仲間3人。こんな小雨ぱらつく寒い中の深夜なのに待っててくれるとは、、大感激でした。スポーツドリンクをいただき、しばし達成の余韻に浸りながら道程について話す。こういう時間がとても楽しい。事故や落車、パンクやメカトラは一切なくハンガーノック、体調不良などになることもなく、致命的なトラブル無しで終えられたことはなによりも良かった。

日本国道路元標レプリカ前
出来高

 無事帰宅して遊びは完結する。深夜の都内を流しながら気をつけて自宅へ戻る。とりあえずお腹を満たして勝利のビールとお布団。終わった。終わってしまいました。


 走行編は三部作になってしまいました。長々と書いてしまいましたがお付き合いいただきありがとうございました。また、現地やtwitterで応援してくださった方々、直前の告知にも関わらず早朝お見送りしてくれたRX01さん、寒い中の深夜に出迎えてくれたチームの仲間達に深い感謝を申し上げます。またこの挑戦にいざなっていただいた東京ー大阪キャノンボール研究のばるさんそして先人キャノンボーラーの方々にも感謝いたします。
 このあとは実際大阪→東京キャノンボールを走ってみて自分が思ったことを細々書いていこうかと思います。



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