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製品保証を巡る葛藤

こんなことを書くと、ドン引きされるかもしれないが、製品保証という概念を自分なりに落とし込むことができない。

例えばアップルには「AppleCare+」という製品保証のサービスがある。プロダクトによって価格は異なるが、iPhoneの最新機種の場合、3万円を超すものもある。製品保証に支払う料金でiPod touchが購入できるレベルである。(iPod touchは既に販売終了になっている)

テクニカルサポートも、Apple製ハードウェアの修理サービスも、ソフトウェアのサポートも、ワンストップで受けられます。
ほとんどのApple製ハードウェアには、製品購入後1年間のハードウェア製品限定保証90日間の無償テクニカルサポートがついています。AppleCare+に加入して、保証とサポートをさらに延長しましょう。

(AppleCare製品|アップル社ホームページより引用)

前職の上司は、「AppleCare+」に加入しない僕に対して「信じられない」という顔をしていた。

確かに彼がそんなリアクションをしたのは、当時僕が使っていたMacBookが過失によって故障してしまったからだ。保証外だったため相当高い修理代を支払ったという事実はある。だがそういった過失が、これまでの人生でどれくらいあっただろうか。

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先日、3年前に購入した洗濯乾燥機が故障した。

メーカーは「排水口が詰まっていた場合は、工賃など実費になります」なんて怖いことを言っていたけれど、何のことはない、ふつうに洗濯乾燥機の(わりと大事な部分が)壊れただけだった。

製品保証をつけていたので、修理代は無料だった。「製品保証、ありがたや〜」と思いそうになったが、別にありがたいことなんて何ひとつない。まあまあ高い金額を支払って、製品保証期間の延長を事前に申し出ていて、その対価を受け取っただけに過ぎない。

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だが、腑に落ちないことは依然として残っている。

以下のサイトによると、製品保証の内容はこれだ。

・製品の不良による修理や交換
・製品の返品や交換
・製品の修理にかかる費用
・製品の交換にかかる費用

製品の不良……。

いまいち製品保証に僕が馴染めないのは、製品の不良による修理や交換をなぜ消費者が「製品保証」という形でリスクヘッジしなければならないのか、である。

先の洗濯乾燥機は、それなりの高額製品である。

高額の商品やサービスを購入するとき“出血覚悟の”と表現することがあるが、まさに手痛い出費であった。だいぶ日々の家事短縮の助けになっているから買って良かったのだが、今でも洗濯乾燥機を眺めると「これって超〜〜〜高いんだよね」という記憶が蘇る。

実は、その「これって超〜〜〜高いんだよね」という洗濯乾燥機が3年以内で2回も故障している。

製品保証期間内だったので、いずれも修理代はかからなかった。が、直るまでの心的負担なども鑑みるとモヤモヤを感じざるを得ない。

製品保証に入らなかったら、有償で修理しなければならない???????なんでだーーー!!!!!!!!!!

てな感じ。

そりゃ10年も20年も使っていたら、故障のひとつやふたつは出てくるだろう。それがメーカーの保証対象外であるというのは理解できる。

でも、たった3年で2回も。となると話は別だ。一応我が家の洗濯乾燥機は5年保証らしいのだが、このペースで故障が続くとわりと近いタイミングで故障が再発することになる。

それってもはや、不良品なんじゃないの??????

なんて穿った見方をしてしまう。それって製品保証というリスクヘッジで対応するものでなく、メーカー側が交換などの形で自主的に補填しなければならないものではないだろうか。

って、もちろん全ての消費者に対してそういうことをすると、メーカー側の負担が増大して、洗濯乾燥機の価格にも転嫁されてしまうので何とも言えないのだけれど。微妙なバランスで、消費者とメーカーの駆け引きが行なわれているのだろうなと推察しつつ、モヤモヤは消えないのである。

「製品保証、ありがたや〜」と素直に思える人生でありたかったが、こういう性分なので仕方がない。今はただ、洗濯乾燥機がこのまま順調に稼働し続けることを祈っている。

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