『景観の作法』を読む
【はじめに】
この本の内容は、3つの章から成っています。
1) 街の風景をめぐって繰り広げられてきた紛争の具体的な事例紹介。
2) 「景観」とは何か?「風景」とは何か?について考える。
3)これから具体的に何を どうすればいいのか。
事例紹介は省いて、2) から読んでいくことにする。
【景観とは】
ドイツ語の Landshaft の訳語と言われています。
「景観」と「風景」
広辞苑や大辞林を見ても、この2つの言葉は、区別がつかない。
「景観」とは「観る」すなわち、視覚(光)によって捉えられた世界を云う。
「風景」とは、風と景(光)であり、風を含んでいる。
良い景観・悪い景観
良い・悪いは、美学的な問題になる。
問題は、風景を受け入れる公共の秩序が失われていくこと。
【誰が景観を創るのか】
「誰が景観を創るのか」問われれば、個々の建築行為の結果、積み重なって "まち" の景観は、成り立っていると思います。
【景観とは】
単に物理的な "眺め" だけではなく「物理的な眺め=景と、人が感じる=観により成り立つ」
良好な景観とは「きれいな物理的な眺め」だけでなく、見る人が「良いと感じる」相互の関係で成り立つ。と、理解しました。
【景観の創出】
混沌としているように見える「景観」も、都市計画法や建築基準法などのルール化されたものがあれば、ルールに沿った "まち並み" が形成されるのでは。
【景観行政の問題(提起)】
私権を優先する現行の法体系。
景観法があっても、お願い事項であり、法的拘束力は弱い。
【景観法/e-Gov法令検索】
【関連図書】
『街並みの美学』芦原義信 著
岩波書店 (1979)
『続 街並みの美学』芦原義信 著
岩波書店 (1983)
【内容説明】
都市と建築の中間に位置する「街並み」は、そこに住みついた人々が歴史のなかでつくりあげ、風土と人間のかかわりのなかで成立した。
世界各地の都市の街並みを建築家の眼で仔細に見つめ、都市構造や建築・空間について理論的に考察する。
人間のための美しい街並みをつくる創造的手法を具体的に提案した街並みづくりの基本文献。
2024.04.20.