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【まちづくり】のこれからを考える ①

"まちづくり" について

"まちづくり" について、概念を理解するために 田村明氏の代表的著書を 読み返してみる。

「都市計画」→「まちづくり」

「まちづくり」と云うコトバの誕生について

「旧都市計画法」の云うところの国や行政からのトップダウン的なモノではなく、1960年代の「新都市計画法」の制定と共に 市民主導のボトムアップ的な "まちづくり" が ふさわしいとの考えから誕生しました。

また、都市計画から「まちづくり」と云う言葉の変化には、従来の価値観を変える挑戦でもあったようです。

1919年(大正8年) 旧都市計画法

http://www.ktr.mlit.go.jp/gaikan/pi_kouhou/11th/s3_3_1.htm

【都市計画法】wikipedia

1968年(昭和43年) 都市計画法施行

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%83%BD%E5%B8%82%E8%A8%88%E7%94%BB%E6%B3%95

この法律は、都市計画の内容及びその決定手続、都市計画制限、都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もつて国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする(第1条)

『まちづくりの発想』田村明 著
岩波新書 393 (1987.12.21)

【ブックレビュー】

https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b267816.html

まちづくりの心

この本が出版されたのは1987年(昭和年)
です。
新しい 都市計画法の施行を受け「まちづくり」と云う動きが全国的に広がった時期のようです。

各自治体の首長も「活力ある"まちづくり"」や「魅力ある"まちづくり"」を訴え、市民も自主的な "まちづくり" 活動に乗り出している。と、あります。

未来への「夢」と地道な「努力」

「夢」未来を見るロマンがある
〈反面〉
「努力」息永く継続的に行なう

"まちづくり" の構造

"まちづくり手法" の構造は、次の3つの側面の統合として考えていかなくてはならない。

1) 自然と自然に手を加えてゆく技術
2) 社会システムと言われる 政治・経済・社会の構造
3) 人間の心に触れてゆく感性 (デザイン・アメニティ)

"まちづくり" は、長い時間の間に、つくったり、こわしたり、手を加えながら 集積した結果としての「まち」をつくる。

また、新しく「つくる」だけでなく、風土と歴史の上に立って これ(既存)を修復したり、守ることも含まれます。
そのために、逆に「つくらない」「つくらせない」ことも あります。

"まちづくり" の基本理念

「まち」とは、市民全体が共有のモノとして自覚でき、共同に利用、活用出来る場の総称です。

"まちづくり" の仕組みづくり

"まちづくり" は、多数の多様な人達が関係し合って行われる。

"まちづくり" は仕事と暮らしの場づくり

仕事づくりは、働いて収入を得る場を確保する。
暮らしの場づくりは、快適で便利な日常生活が営めるようにすること。
仕事と暮らしは、本来 同じ場所(地域)で行われていたが、いつしか仕事場と暮らしの場が分離していった。

"まちづくり" は、ひとづくり

"まち" は、ただ住んでいるだけでなく 人々の協働の力で、"まち" を愛し、自身の役割を果たしながら「より良い "まち"」にしていかなくてはならない。

"まちづくり" は ハレの場 コトを興す

イベントと仕掛けとしてのコト興し

"まちづくり"の核

仕事・暮らし・仕組み・人
コト興し

市民一人ひとりが、自分達の「まち」を自覚し、「まち」への誇りと愛情を持っている。

著者の 田村明 さん

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E6%9D%91%E6%98%8E

以下【三部作】
『まちづくりの実践』『まちづくりと景観』

『まちづくりの実践』田村明 著
岩波新書 615 (1999.05.20)

【まちづくり】のこれからを考える ②
『まちづくりの実践』


『まちづくりと景観』田村明 著
岩波新書 985 (2005.12.20)

【まちづくり】のこれからを考える ③
『まちづくりと景観』

2020.02.29

【続く】