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【読書百遍】『日本語の作文技術』新版


【はじめに】

『日本語の作文技術』文庫版は、1982年(昭和57)1月20日第1刷が発行されました。
新版の『日本作文技術』では、旧版の 第10章「作文技術の次に」と付録「メモから原稿まで」を割愛し、新版として再編されました。

左) 旧版 右) 新版
『日本語の作文技術』新版
本多勝一 著 朝日文庫
2015年(平成27)12月30日

【第一章 なぜ作文の「技術」か】

この『日本語の作文技術』では、文学的な文章ではなく、事実的な文章のための作文技術が対象にされています。

第一章 なぜ作文の「技術」か p.10より

目的はひとつ
読む側にとって わかりやすい文章を書く
第一章:pp.9〜31.

【第二章 修飾する側とされる側】

修飾する側とされる側が離れすぎているとわかりにくい。
第二章:pp.32〜50.

【第三章 修飾の順序】

① 節を先にして、句を後にする。
ライトを消して、止まらずに速く走る。
② 長い修飾語は前に、短い修飾語は後に。
明日は、たぶん大雨になるのではないかと私は思った。
③ 重大なものから重大でないものへ
初夏の雨が、萌える若葉に豊かな潤いを与えた。
④ なじみの強弱
第三章:pp.51〜88.

【第四章 句読点のうちかた】

句読点は字と同じか、それ以上に重要である。p.97
テンというものの基本的な意味は、思想の最小単位を示すもの。p.109
第一原則
長い修飾語が2つ以上あるときは、その境にテンを打つ。
第二原則
語順が逆の場合にテンを打つ。
p.130
主観的にテンを打ちたい場合は、自由に。(あまり 重要でないテンはうつべきではない)
p.134
第四章:pp.89〜157

【第五章 漢字と仮名の心理】

漢字とカナを併用するとわすかりやすいのは、視覚としての言葉の「まとまり」が絵画化されるため。
p.162
その結果、今・・・
その結果、いま・・・
第五章:158〜173.

【第六章 助詞の使い方】

助詞と助動詞は日本語の性格を決定する重大な品詞には違いない。p.174
日本語を正確に使いこなせるかどうかは、助詞を使いこなせるかどうかにかかっているといっても過言ではない。p.175
例) pp.182〜185.
The man gave the boy the money.
大人が子供にお金を与えた
子供に大人がお金を与えた
第六章:pp.174〜238.

【第七章 段落】

段落(行を変える)こととは
たとえば足という「章」は、小指・親指・すね・もも・ひざ・かかとと言った部分で構成され、その部分部分で改行される。
段落(改行)のいいかげんな文章は、骨折の重傷を負った欠陥文章といわなければならぬ。p.239
第七章:pp.239〜250.

【第八章 無神経な文章】

1) 紋切型
誰かが使い出し、それがひろまった、公約数的な、便利な用語。
ただし、表現が古くさく、手あかで汚れている言葉。
しかし、紋切型を使った文章は、マンネリズムの見本みたいになる。
紋切型にたよるということは、ことの本質を見のがす重大な弱点にもつながる。
p.256
2) 繰り返し
4) 体言止め
3) 文自体が笑っている
5) ルポルタージュ
第八章:pp.251〜284.

【第九章 リズムと文体】

文章の終極点は、リズム(旋律)の問題になるだろう。
小説家の文章読本の類は、リズムとか調子に比重を掛けて書かれている。
・文体とリズム
・修飾語の並べ方や句読点の打ち方
・言葉の選び方
筆者固有のリズムがある。
さらに、目のつけどころがうまい。
表現の例
見ると 見渡して 見すえながら
第九章:pp.285〜306.

【ブックレビュー】

自分自身への次のテーマ(課題)は、広告の文章(コピー)って、文学的な文章か?事実的な文章か?に しようと思います。

2024.03.19.