見出し画像

「つぎはぎ」閉幕

高校時代ラグビー部に所属していた。
負けた回数の方が多く、鍛え方が足りず怪我も沢山したが、今となって思い出すと良き思い出が多い。
自分が高校の時、地元のラグビー部は強いか強くないかではっきり二分していた。
高校のラグビーは力の差が明確に出るスポーツであると思う。
大会で自分たちが100点差以上で負けたチームが、次の試合で100点差以上で負け、そこに勝ったチームも次の試合では50点差ぐらいで負けていた。
優勝したチームと当たっていたらと思うと恐怖ではある。
自分たちは完全に強くはないチームだった。
強いチームと試合をすると、いかに点差を広げられないようにするかを考えていたぐらいである。
もちろん試合開始直後は勝つ気で臨むのだが、開始10分ぐらいで対面(相対する相手)変われとか、タックル行って吹っ飛ばされたらどうしようとか考えてしまっていた。
向いてなかったのかもしれない。痛いし、何でやってるんだろと思った事もある。
高校最後の大会も運悪く優勝候補の一角と当たった。
試合は当然防戦一方。防戦出来ていたのかも分からない。
中盤ぐらいからは1トライ取ることが目標に変わり、負けはほぼ確定。
相手がレギュラーメンバーを入れ替えても、1トライすら遠い。
何とか、相手のミスから1トライは取るも、その後も失点が続き、100点ぐらいの差がつき試合終了。
その瞬間から帰る支度をするまで涙が止まらなかった。
顧問に「悔しいよな」と言われて、悔しいのか?と思いながらも涙が止まらなかった。勝てないと分かっていながら、淡い期待で勝てると思っていたのか。
恐らく、負けた事はもちろん悔しかったと思うが、ラグビーをあの時のメンバーと続けられなくなる事が一番大きかったのだと思う。
高校の部活が終わると、部活の集まりはかなり少なくなり、クラス単位での行動が多くなる。部活という集合体にいられなくなる事が寂しかった。良き思い出が沢山ある集合体である。
対戦の組み合わせが発表されてから、その日を無意識に意識し続け、とうとう来てしまった時の寂しさだったのだと思う。

先日、劇団水中ランナー第十二回公演「つぎはぎ」が無事に千秋楽を迎えた。
まずは、ご来場頂いた皆様、応援して下さった皆様、気にかけて下さった皆様、誠にありがとうございました。本当に本当に。
このご時世、様々な状況の中、この日を迎えられた事は感謝しかありません。

今回出演の劇団員3人

この「つぎはぎ」という作品は約5年前に執筆し、2017年に上演させて頂き、今回は作品としては再演。
初演の時も稽古場で皆さんと試行錯誤し、台本を改訂し、上演した。
今回も同じく、大きな改訂は無かったものの、試行錯誤を繰り返し作品を一緒に創らせてもらった。
5年もあれば想いも、やはりやり方も少しは変わっていて、また違う観点から観たりも出来たが、根底のものは変わらないと再認識出来た。
内容にはあまり触れないが、色んな形の様々な縁みたいなもの。これからも大切にしたい。

ぱっちホーム

今回はオーディションも実施させてもらい、劇団としては珍しく半数以上が作品創りをするのは初めましての座組みの中、気持ちよく稽古を進めていけた。人柄も真摯さも。
スタッフさんにもかなり助けて頂き、第十二回目にして主宰というものを大きく感じた。
キャスト・スタッフ一人一人紹介したいが、自分に留めておこうと思う。

集合写真
皆様に感謝 

初めましての方と恋人になったり、夫婦になったり、家族になったりする職業で、最近その難しさを痛感する中で、約1か月の稽古期間の中で家族みたいな集合体を創って頂きました。

千秋楽翌日は寂しさを感じた。今も少なからず。
良きことなのかもしれない。
現場によって集合離散を繰り返す演劇。作品にとっても。
離散しても、また集合したい。
高校時代の友人もお子さんを連れて来てくれたり、数人で一緒に来てくれたり。地続きであると思う。

改めまして
劇団水中ランナー第十二回公演「つぎはぎ」
誠にありがとうございました。

「つぎはぎ」
ディレイ配信もあります。
もしよろしければ何卒よろしくお願い致します。

「つぎはぎ」配信公演

配信開始日: 2022/5/29 18:00
※ 30分前からアクセスできるようになります。

アーカイブ期限: 2022/06/12 18:00

チケット販売期間 : 2022/05/18 18:00 ~ 2022/06/12 16:00

※お手数お掛けいたしますが、観劇三昧さんに登録が必要です。

何卒よろしくお願い致します!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?