見出し画像

花を灯す

高校の時だったと思う。
ある教師に理不尽に殴られた事がある。頭を思いっきり何発か。パチンとかでは無く、バコンと何発か。職員室に入った途端に。それはそれは理不尽に。
まだギリギリ、ほんとギリギリ教師が手を出す事がグレーな時代。自分が悪くて叩かれたり、罰を受けたりした事は何度かあって、今となってはいい思い出だし、理解出来る。自分が教師だったら発狂してたかもしれない。むしろ叱ってくれた教師に感謝とそしてごめんなさいとも思う。本当は絶対駄目なのだろうけど。
ただ、その時のいきなりバコンはあまりに理不尽すぎて、理解出来なかった。叩かれた直後は意味不明な圧力に痛みよりキョトンとしてしまった記憶がある。

幼い頃から歳上や権力者に逆らう事を極端に恐れる性格だったため、何故怒られているか分からないのに、謝り続けた。理由も分からないのに謝ってる自分に対しても理不尽さを感じたが、謝って逃げようとするのは今も悪い癖である。

トボトボと家に帰ると、両親が学校に乗り込む勢いで怒ってくれた。車に乗り込もうとするのを止め、学校に電話しようとするのを必死に止めた。当然のように自分より怒っていた。
今となっては乗り込めば良かったし、電話すれば良かったのかもしれない。

その理不尽に殴られた記憶はたまにあったなぁと思い出す事はあっても、その後の家での事はなぜかふと思い出した。
理不尽や自分の弱さと対面すると、その事ばかりに全ての意識がいって、逃げたり闘えなくなったりするのだが、絶対的な味方がいると思うと(思い込みでも)、一個フンって頑張れる気がする。両親じゃなくても友達でも先輩でも後輩でも。事柄によって味方が変わっても。
マイナスに引っ張られると凄い力で引き込まれ、いっぱいいっぱいになるが、ふと冷静になるとそのプラスと思われる力で跳ね返せる。

そんな事を必死に大事にしていきたいと思う。

そんな事や他の事や、くだらない事を日々考えながらも、演劇に揉まれ、先日劇団水中ランナー第十四回公演「花を灯す」が無事に千秋楽を迎える事が出来ました。そんな事を多々考える日々でした。


この作品は2年前にに緊急事態宣言により、顔合わせ前に中止になった作品。
当時は第十一回公演として上演予定で、初の駅前劇場進出、劇団としての今までを盛り込み、今後の指針を決めようと思っていた作品。いわゆる集大成を創ろうと意気込んだ作品。

今回キャストさん、スタッフさん、そして劇団員に多大に助けて頂き、目標の一つであった駅前劇場でようやく皆様と共に上演することが出来ました。
想いみたいなものは作品に盛り込んだと言いたいですが、自分の想いをはるかに凌駕して皆様と一緒に創らせて頂きました。


稽古中は演出卓に座らせて頂き、幸せな光景を沢山見ました。


会場での当日パンフレットでも書かせて頂きましたが、自分は可能な限り笑っていたい。今日一日楽しかったなぁと思える日を増やしたい。と日々思います。
その為に頑張ろーと思いながら、絶対的な存在がいてくれたら楽に笑える。
今回、そして今まで自分にとってそんな存在が多くありました。

人に限らず、今まで観た作品や物にも多くそんな事が含まれるんじゃないかと思います。
この「花を灯す」という作品と、そして共に過ごしてくれた方々は自分にとって少なからず絶対的であります。

改めまして
「花を灯す」
ありがとうございました。

そんな公演も先日配信がスタートしました。
ご興味ございましたら何卒よろしくお願い致します。

視聴可能期間:11/20(日)12:00~12/4(日)12:00
販売期間:~12/4(日)10:00
チケット ¥2,500
お手数ですが、観劇三昧さんへの登録(無料)が必要です。


何卒よろしくお願い致します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?