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G線上のあなたと私 第6話 延長線上の恋とか愛

人間愛の延長線上に恋や愛があるのか。それとも恋や愛の延長線上に人間愛があるのか。

私達 全然違いますね

也映子と眞於を同い年に設定した理由がやっとわかったー。婚約破棄された同士で星座も血液型も一緒。だけど眞於ばかりがみんなの気持ちを集めていて、普通である私のことは誰も見ていない。卑屈モード全開の也映子に対する眞於の毅然とした態度の美しいこと!

クラスの最上位女子に見られてきた眞於はこれまでも同じようなこと言われてきたのでしょう。最初は「どうしたんですか?」と聞いてたけれど、也映子の意図に気づいた時の冷たい表情最高!自分の卑屈さをぶつけてくる悪意に対し「誰かのスペシャルになる努力をしなきゃダメじゃないですか」「これでも弱ってる、察してくれって、その方がわがままな気がしますけど」と笑顔で応える。これから卑屈モードになりそうな時はこの時の眞於を思い出すよ。眞於は適当な言葉で人を甘やかさなくていいわ~。

「恋とか愛とかみたいな関係ばかりだとさみしいと思わない?また、おそば食べましょう」眞於は魔性でも小悪魔でもなく、ただ誠実な人に見える。ドラマ版では眞於の存在が本当に突出してると思う。

執着する関係

無職で人生のエアポケットに入っている也映子。自分のために使える時間がたっぷりあって一番幸せな時間だね!と客観的には思えるけれど、所属する場所が少ないことから繋がっている関係に執着しているように見えるのかしら。“執着”という言葉を三人の関係の中で全く感じていなかったので、この言葉が理人から出てきて驚いてしまった。でも “執着”といえば理人だよねぇ。「次はどんな関係になれば眞於さんと繋がれますか」って。あぁ!自分を投影して思わず出てきた言葉だったのか。

許すとか許さないとか

傷つけあったのに元に戻る関係に嫌悪感丸出しの理人。幸恵がポツリと言った「恨み続けるのってしんどいのよね」という言葉もきっと理人にはまだわからないだろう。傷つけあった人達に翻弄されてきた理人にとっては、突然元の関係に戻られたらたまったもんじゃない。でも人間関係を継続していく上では、笑いあえた方が断然楽になる。夫に言葉を投げつけてしまった幸恵が「優しくないな、私は」と傷ついている姿は多分誰でも経験があること。恨み続けることは気力がいる。時間をかけてその感情をどう消化していくかって、何歳になっても大きな課題だよね。

人間愛の延長線上にあるもの

人間愛という表現が出てきたけれど、3人の緩い関係はまさにそれに近かったはず。ただ、これまで重ねた時間の線上で明らかに感情の変化が生まれていることをそれぞれが感じているわけで。今回は理人も思わず口にしてしまった言葉があった。感情は、人間愛が先なのか、恋や愛が先なのか。この物語は、線上に色々な感情が乗っかっているから面白いよね。

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